TOPIC "番外編"
シニア選手権大会に出場して
Hitoshi Takano MAY/2011
2011年5月14日(土)、私は17年ぶりに近江神宮に来ていた。前に来た時は、勧学館が
できる前であり、慶應かるた会同士の名人戦“種村VS望月”戦の観戦のためだった。
今回は、自身のシニア選手権大会出場のためであり、個人戦出場は、なんと16年半
ぶりである。首都圏以外の大会となると、実に1988年の高松宮杯(於,近江神宮)
以来の23年ぶりである。
月日の立つのは早いものである。20代のころ、京滋の大会に来るとお世話になって
いたNさんから、「あの頃学生だった君が、もうシニアに出る年齢になったんだね。」と
感慨深げに言われたことで、ますます、この間の月日の移り変わりを実感した。
大会の運営に来ていたY元クイーンにも、「お久しぶり」と声をかけられ、覚えていて
くれたことに感激し、その昔、高校選手権の前に泊めていただいた早稲田OBの地元出身の
I君との滋賀の地での再会を喜ぶことができた。
参加者をみれば、私が学生時代から、その活躍を知っている同世代の選手や、その頃
から先輩選手として活躍されていたBIG NAMEの選手がいるではないか。BIG NAMEの選手
は、G級というA級より上のクラスなので対戦はできないが、久々にその勇姿を見ること
ができる喜びを感じた。
私が競技かるたを始めて三十数年、この人たちも、同じ時間経過を競技かるたという
一つの座標軸をとおして共有して来たのである。
競技かるたに対する関わりの濃淡はあるものの、あらためて自分自身は個人戦に出場
しなくとも、関東以西でかるたを取らなくとも、競技かるたの選手であるという事実に
気づいたのであった。
個人戦に出場していなかった期間も、「歌留多攷格」
を書き、ホームページを立ち上げ、様々なコンテンツを用意し、この競技の世界に
関わってきたことは、濃淡でいえば「淡」でないことは確かだろう。「歌留多攷格」が
ご縁で、今回初めて奈良のKさんとご挨拶できたことも嬉しいできごとの一つであった。
シニア大会の翌日であるが、早稲田OBのM君と大学卒業以来の再会を果たしたが、私
のホームページは読んでくれているとのことであった。ホームページも時間の共有の
道具のひとつであると言ってもよいだろう
さて、試合結果はと言えば、10人中6人の不戦勝を引けずに、一回戦からの登場と
なり、優勝した奈良のKさんに敗れてしまった。前半の大差をなんとか詰めて3枚差と
するのがやっとであったが、若い時の試合時の妙な昂揚感がなく、気持ち的には安定
して試合に臨めたように思う。
昨年から出場資格はあったのだが、今年が初出場となった。久々の個人戦は、たいへん
よい経験になったと思う。試合終了後、このような機会は大切にしていきたいと強く
感じた。
と、ここで、話題を変えて、慶應の現役の後輩諸君に一言伝えたい。
シニア大会は、隔年で東日本と西日本で開催されている。今年は、東日本大震災の影響
で、本来東日本の番であったが、西日本で行うことになったが、来年は東日本の番である。
来年はぜひ、G級の試合を見学に行ってほしいと思うのだ。
そこには、必ず、君らが学ぶべき至芸があるからだ。
G級は、一回戦からどの対戦をとっても、好カードばかりである。よい試合をきちんと
見学することは、時には自分が取るのとは違う意味でよい練習の一環となる。
達人達の至芸を目に焼きつけ、その技術や呼吸をぜひ学んで自分のかるたに取り入れて
みてほしい。特に、A級にあがったはいいが壁にぶつかっている選手、B級を抜け出せずに
いる選手など、ある程度のところまでは来ているが、あと一歩を抜け出せずにいる選手
には、ヒントの宝庫であり、確実に自身に対する刺激となる。
東日本の選手に西日本まで見に行けとは交通費もかかるのでそこまでは言わないが、
せめて2年に一回、東日本の開催時にこれらの至芸から学ばないというのはもったいない
と言いたい。
もし、慶應のOBが出るならば、その応援を兼ねて見にいきますというのであれば、
それを口実にしてもいいのでステップアップを望む現役学生選手は見にいくべきだと
思う。
そして、現役学生の口実をつくるという意図であってもいいので、出場資格のある
慶應OBも積極的に出場してほしいと願っている。
ここまで書くと、私自身も今後のシニア大会出場を目標にしないといけないことに
なるが…。
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