TOPIC "番外編"
動き出した大会改革(3)
第100回職域学生大会のD級を振り返って
Hitoshi Takano AUG/2013
…新D級を体験して…
2013年8月25日(日)小雨がぱらつく中、第100回の職域学生大会が江戸川区スポーツ
センターで開催された。参加チーム増加で懸案となり、改革が行なわれた新生・職域学生
大会のスタートである。夏はD級のみの大会(並行して行なわれた第1回プレミアトーナメ
ントについては、ここでは言及しない。)であり、この大会の上位6チームが、来春に
開催される第100回職域学生大会のA・B・C級のC級出場権を得るという仕組みだ。
今までは、夏で1回、春で1回とカウントしてきたが、これからは、同一年度内の夏と
翌春の大会がセットで1回とカウントされることになる。D級からC級に昇格したチーム
は、年2回、4試合ずつ8試合取れるわけだ。
さて、TOPIC番外編の第17回
において書いた懸念だが、上位24チームの6ブロック分割などの仕組みは、きちんと
練られていて、初の試みにしては運営も順調であったように思う。
58チームの参加申し込みで、出場を認められた54チームの中から24チームしか3回戦以降
出場できないとなると、私が先に懸念した1・2回戦を控え選手とし、3回戦にエース投入と
いう手法などは、実際にとれないことがよくわかった。勝点2は鉄板だったが、3勝+
3勝の6ポイントのチームであった我がチームで全勝2でも主将が1勝で17位であった。
(主将が0勝の18位のチームを上回った貴重な1勝だった。→主将は私で2勝できなかったのは悲しいですが、この順位には貢献したということにしてください。)
勝点1のチームも勝数のポイントが高くないと24位以内に入れず、順位差も将順成績
がものをいう熾烈な順位争いがあったということになる。(試合中は意識していなかったが、
結果をみるとまさに「熾烈」であった。)
3回戦の出場権を得るためには、1回戦・2回戦の2戦をフルスロットルで戦わなけれ
ばならないという状況が、はっきりとわかった大会であった。
さて、そこで第1回戦と第2回戦の対戦決めについて、多少意見を述べさせていただき
たい。
この点を述べる前に、3回戦以降の4チームのトーナメント戦の組み方は、1位と
24位があたり勝ったチームが、12位と13位で戦って勝ったチームと4回戦の
決勝を戦うという組み方で行なわれていたことを前提としたい。
6位チームは19位チームと、7位チームは18位チームとなので、順位の足し算で
いけば、各ブロック4チームの合計ポイントは「50」で、3回戦はすべての組み合わせが「25ポイント」となる組み合わせということになる。順位上位にいくと準決勝の組み合わせでアドバンテージ
があり、公平感のある組み合わせで良いシステムであると思う。
では、一方、予選の1回戦・2回戦の対戦はどうであろうか。私のケースだけだが見てみよう。
抽籤で順番を決め、チーム5人分がまとめて掲載してある着席順カードを引くわけなの
だが、このあたりは、完全乱数なのか、ポイント計算があるのか否かという点が気に
なったのだ。私のあたりを見てみよう。主将の私は、1回戦に他チームの副将と対戦し、
2回戦に他チームの主将とあたっている。将順にポイントをつければ、ポイントの低い
ほうが強いという前提で計算すれば、3ポイントである。控え選手は、交代選手の将順
にはいるのだが、ここでは控え選手を考慮しない理論値で考える。当然、ポイントの
公平性を個人で担保すれば、平均は6ポイントとなるので、そういう組み方をするので
あれば、私は2回戦では四将にあたらないとならないが、主将とあたっている。
相手の主将に敗れ、主将が負けてのチーム3勝は厳しいと思っていたら、副将・三将
・四将の3人が勝てたので、二つ目の勝ち点を取ることができた。
もし、チーム全員の相手の将順ポイントが1回戦につき、合計15となるように組ま
れているのであれば、それでもよいかなとも考える。チーム対抗のときは、まさにこの
理屈だからである。2回戦あわせてチームで30ポイントは、まずいだろう。理論的に
1回戦全員主将とあたり、2回戦全員五将とあたるということも可能となり、星がかた
よる可能性が出てしまうからだ。
試合に集中していたため、チームのメンバーがそれぞれ何将にあたったかを把握して
ないので、検証できていないが、運営者は、せめて1回戦につきチーム総計15ポイント
を考えてもらいたいし、踏み込んで、個人2回戦の総計6ポイントの併用を考えてほ
しいと思う。
なんでこんなことを思ったかというと、次の要素による。
1)自分自身が、副将・主将という普通に考えれば、きつめのあたりであったこと。
2)2回戦の我がチームの立役者が、「くじ運(対戦相手の力量に関しての運)は大きいですよ」と謙遜も
あったかもしれないが語った点。
3)日頃から交流があり、うちのチームよりも戦力的に充実していると私の中では
評価しているうちの中高チームが、1回戦で1勝4敗。2回戦で5戦全勝という星の
偏りをみせ予選敗退したこと。
旧E級から発展的に組まれた現D級は、旧E級の最大でも22〜23チームだった頃
より倍増して54チームである。以前もあった「A級3本のチームもあれば、全員D級
以下というチームもある」というチーム間格差が、さらに混在し、拡大したとみる
べきだろう。
「くじ運」だとか、「あたりがよかった」というのは、勝負につきものの「アヤ」で
あるし、やむをえない事象でもあると思う。しかし、すべてを「運」や「アヤ」で
片付けるのではなく、出場者が納得のいく、なんとなくこれなら理屈がとおるという
運営の落としどころがあるのであれば、ぜひ工夫していただきたいと願うのである。
運営に当たられている皆さんには、常日頃から深く感謝しているし、出場できない
ときにお手伝いをさせていただくこともあるが、ぜひ、ご検討いただきたい。
…個人的な振り返り…
今回、久々に5人編成でチームを組めたことは、なによりもありがたかった。5人未満だと次回の出場権利が非常に低くなるからということもあるが、本質的に職域大会は5人の団体戦だからだ。
慶應もしくはKEIOの文字のあるTシャツ着用という決めだけだったので、5人で並んでも、ユニホーム的にはバラバラだったが、それもまた一興であった。今度は、教職員チームでお揃いのシャツをつくるのもいいかもしれない。
私が2006年の85回大会に約17年ぶりに復帰したとき、漠然と描いていた目標が、「第100回大会に出場」ということと「職域通算100試合達成」ということとの2つであった。その片方が達成できたのも、チームの仲間のおかげであると感謝している。あと9試合(100試合に不戦勝を含めなければ残り10試合)で100試合の目標も達成する。4試合とれるか2試合しか取れないかで達成にかかる年数は変わるが、これもひとつの目標としてがんばりたい。
とにかく、年齢による運動能力の低下には悩まされる。以前は、練習を直前に集中して行なう調整方法も可能だったが、いまではそれをやると必ず身体のどこかにひずみが出てしまう。疲労も大敵である。試合時にピークにもっていく調整の仕方も年齢相応に工夫しなければならない。とにかく、少ない練習量でも、長期にわたる練習できない期間を設けず、無理せず、毎月コンスタントに取りつづける。毎週といえないところがきびしいところだが、1週に何試合もとると身体によくないことは体験的によくわかった。
だいたい、職域で4試合取ったあとは、ここしばらくは、身体のあちこちが痛くて、よく眠れないという状態だ。これは、仲間内の団体戦のあとでも似たようなものだ。
身体によくなくても、職域で4試合取りきったという達成感が精神にいいから続けているのかもしれない。
今回は、4試合すべて十代半ばの女性との対戦であった。たぶん、彼女たちの父親よりも年齢は上だろう。そんな年齢差をものともせずに、3勝1敗は、まずまずの戦績といえるのではないかと思っている。しかし、やはり、負けると悔しい。相手は伸び盛りのB級とはいえ、ここで高いハードルになってこそのベテラン選手である。職域の負けは、普段の負けの3倍にも4倍にも悔しい。この悔しさがあるうちは、まだまだがんばれるように思うのだ。
50代にはそれなりの「かるた」がある。そして、私には私の「かるた」がある。それは、年齢や体調、いろいろな要因で変化してきた。それを模索しながら、出場する大会にあわせて調整し、作り上げていく。その過程が楽しいし、結果がともなえばなおさら楽しい。
それには、日々の積み重ねが必要だし、一緒に練習してくれる仲間が必要である。こうしたことを強く感じさせてくれる職域学生大会は、やはり、私にとっては特別な大会なのである。
…検証期間の設定…
最後に運営の話を再度しておきたい。
新制度は3回くらいは継続してみて、抜本的に変えるべきところは、変更できるようにしておくことが必要だろう。
細かい微調整は、毎回でも可能だが、大きなところは、じっくりと検証し、検討していく必要があるだろう。やはり、それには3年で結論を出すくらいの目途をたてて、検証期間をきっちり決めておくのがよいと考える。
私の要望は、春の大会の各級のユニット数(1ユニット:8チーム)の再検討である。A級1ユニット、B級2ユニット、C級3ユニットが再編成された現状だが、これをC級4ユニットへの増加させることを検討してほしい。そうすると、ユニットの下位2チームごとの陥落に対して、下の級からの各ユニットの優勝チームというわかりやすい構図が生まれる。
C級からB級への昇級にワイルドカード(準優勝チーム中のもっとも成績のよいチーム)という選択をせずにすむのは大きいと思う。やはり、決勝で勝ったチームが上に行くという構図はわかりやすい。D級が夏に行なわれるゆえに会場のキャパシティーも問題ないと考える。
C級を4ユニットに増加した場合のD級の運営の変更も検討事項だろう。優勝チームが上にあがるわかりやすさを考えれば、4チームトーナメントのブロックを現行の6ブロックから8ブロックにするのがわかりやすいだろう。しかし、現行の予選通過24チームから32チームは、少しボリューム感がある。多すぎる感じがするのだ。
今回のケースで考えれば、C級以上のチームは42チームが確定していて、D級に58チームの申し込みがあった。(出場許可は54チーム)したがって、潜在的チームもいれて100チーム見当である。
この100チームをベースに考えるとC級を4ユニットにすると56チームがC級以上となる。そうするとD級が44チーム。予選で24チームを選ぶなら、予選落ちは20チーム。しかし、32チームを予選で選ぶとなると予選落ちは12チーム。4チームのトーナメントブロックのチーム力格差が大きくなってしまうように感じるのだ。
いつまでも「ちはやふる」ブームによるチーム数の拡大も見込めなくなることは、いくら我々が普及に地道な努力を続けたとしても、いつかはバブルがはじける時がくるのは世の習いである。そうすると、32チームが予選通過はやめておいたほうがいいように感じる。
そこで、昇級の上位8チームを選ぶ方式としては、ワイルドカード方式を導入するのがよいと考える。予選は6ブロック24チームを維持し、D級にワイルドカードを導入し、ブロック2位から成績上位2チームを選ぶ方式にするのだ。
どこが、ワイルドカードを得ることができるか、結構、D級の決勝が盛り上がるように思うのだが、いかがだろうか?
例によって、勝手なことを書いてしまったが、機会があれば、ぜひ検証期間を設け、この案を検討していただきたいと願う。
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