TOPIC "番外編"
管理人のひとりごと(3)
〜新型コロナウイルス禍〜
Hitoshi Takano MAR/2020
新型コロナウイルスが猛威をふるっている。
政府は、3月2日から春休みまでの小中高の休校を要請した。
かるた界も、その余波を受けている。各地の大会は中止や延期を決定し、職域学生大会も見送りを決定した。
大学も学生の活動に対して、注意喚起を呼び掛け、クラスター感染の可能性のある活動や、イベントの中止について言及している。
大会に向けての最後の練習さえできない状況になっているのだ。
この大会のために準備してきた選手の方々や、特に最終学年に属する選手のことを考えると残念でならない。
卒業式が正常に行えない状態では、かるた界に限らず、残念でならない方々が大勢いることだろう。
何が大事なのかの優先順位を考えれば、理性ではやむをえないと考えつつ、感情ではいかんともしがたい複雑な思いでいっぱいである。
一刻も早い、コロナウイルス感染の沈静化と、事の収束をのぞむものである。
今回のタイトルにあるように「ひとりごと」なのだが、愚痴ともとらえられてしまうかもしれないので、「ひとりごと」的話題にしよう。
今、かるたに関する2冊の本を読んでいる。一冊は、ミネルヴァ書房刊行の「定家『明月記』の物語―書き留められた中世―」(稲村榮一著)である。
言わずと知れた小倉百人一首選者の藤原定家の日記である、「明月記」についての本である。
今までも「明月記」関係の本を読んではきたが、あらためてこの本を読むと定家という人物が語られていて面白いと思った。
もう一冊も、ミネルヴァ書房刊行の本である。奥武則著「黒岩涙香―断じて利の為には非ざるなり―」である。
黒岩涙香は、現在の競技かるたにつながる基礎を築いた人物である。
慶應義塾に籍を置いたこともあるということで、慶應かるた会としても縁を感じるし、何よりも競技かるた界にとっては、「祖」とも言うべき重要人物である。
その人となりを知るうえで、興味深い本である。
もう少し、ひとりごとを続けよう。
先月、元プロ野球選手で、いくつもの球団で監督を務めた野村克也さんが亡くなった。誠に残念である。
私は、昭和48年に連載が始まった水島新司著の「あぶさん」という漫画で、野村さんや南海ホークスが好きになった。
昭和48年は初の前期・後期の二シーズン制のもと、前期優勝を決めた南海が、プレーオフを制して日本シリーズに出場した年でもあった。
残念ながら、読売ジャイアンツに敗れて日本一にはなれなかったが、この時は、野村さんは選手兼任監督だった。
「あぶさん」の中には、野村監督があぶさんこと景浦選手に「下手な選手にスランプはない。スランプはうまい選手がなるものだ。」という内容の言葉を語るシーンがある。
私は、競技かるたの競技者として、この言葉を肝に銘じている。
また、野村さんが、「生涯一捕手」と称していたことも、自分自身に「生涯一選手」として現役を続ける励みの言葉となっている。
のちに監督として「野村再生工場」と言われた人の使い方、人の育て方も、ぜひ学びたいことだと思っている。
何よりも限られた戦力で、戦力の充分なチームに勝っていくという様々な戦略・知略についても、勝負の世界に身を置くものとして、学ぶべき点であると考えている。
野村さんは亡くなったが、その考え方は、野球選手のみならず、多くの人の中で生き続けることだろう。
「ひとりごと」なので、まとまりのない話題になったが、ご容赦いただきたい。
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