TOPIC   "番外編"

練習環境格差

〜於,コロナ禍下〜

Hitoshi Takano MAY/2021

 5月7日、4月25日に東京都他に発出された緊急事態宣言は、当初の5月11日までという予定を延長し、5月31日までの期間となった。 (これも、再延長がないとは言い切れないが、、、)
 東京都に在住・在勤する身には、3度目の緊急事態宣言であり、職場の施設を利用して職場の福利厚生活動の一環としての競技かるたのサークル活動をしている身にとっては、 緊急事態宣言イコール練習施設の利用中止なので、昨年度から3回目の練習中止措置なのである。

 練習場所の確保は、競技かるたの活動においては、大きな意味を持つ。集まる人数に応じた広さの和室が、その練習の質にも影響をすると言って過言ではないだろう。
 地域にある市民会館や市民センターなど、自治体の公共施設を利用している団体も多いと思うが、新型コロナウイルス感染症対策での 「まん延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」などが発出されれば、施設の利用を制限したり、中止したりする施設が多いことは間違いない。
 普段は、和室などを貸し出しているお寺や神社などでも、こうした「措置」・「宣言」が発出されると、貸出を中止したり制限したりすることがあると聞き及ぶ。
 大学などでは、緊急事態宣言発出中は、オンライン以外の活動はNGというケースもある。当然、今まで使用していた大学の和室等の施設も使用できない。
 高校や中学などでも、こうした「宣言」や「措置」の間は、活動中止までは至らなくても、時間短縮や参加人数制限といった措置がとられることが多い。

 さて、いわゆるかるたの強豪高校や強豪大学といったところが強豪である理由の一部に、豊富な練習量があり、豊富な練習相手がいるというのがあったかと思う。
 その強さを支えてきた練習量を中心とした練習環境が、新型コロナウイルス感染症対策のゆえに確保できず、学校によっては著しく損なわれてしまったのだ。 これは、特に今回、緊急事態宣言の対象地域となっている地域の学校やかるた会に大きな影響をおよぼしている。 緊急事態宣言の対象地域は、おもに都市圏である。都市圏は、人口も多く、学校も多く、競技かるたの一般会も多く、自会の練習のみならず、出稽古の環境もあり、 通常時であった今までは、練習環境の整った地域であった。
 しかし、コロナ禍により、一転し、練習環境に大きな制限がかけられる地域となってしまった。
 一方、今までは、人口減少等で練習相手も固定化傾向にあったり、出稽古するにも長い距離を異動しなければならず練習環境に関して都市圏よりは不利と見られていた地方においては、 コロナ禍における都市圏の規制とは違い、コロナ禍であっても今までとそれほど変わらない練習環境が確保できている。
 コロナ禍によって、練習環境格差が逆転したといってもよいのではないだろうか。

 もちろん、一人でもできる基礎トレーニングはできるではないかという声もあるが、対人競技である以上、実戦感覚を磨くための対人練習の量と質は上達のためには必要不可欠である。
 大相撲では、合同稽古ができる期間と各部屋の中だけで稽古しなければならない期間が定められているようだが、「四股」や「てっぽう」と言った基礎練習だけでは、いわゆる 「相撲勘」を磨くことはできない。そういう時には、やはり人数の多い部屋に所属していたほうが練習環境に恵まれていると言えるだろうし、関取が多い部屋のほうが練習の質も 確保されているといえるだろう。

 このような考え方をすれば、都市部で緊急事態宣言下であっても、ある程度しっかりと練習環境を整えられるのが、家族ぐるみで競技かるたを嗜む「かるたファミリー」だろう。
 自宅の和室で、練習相手は固定化されるものの、実戦練習を行うことができる。巣ごもりで外出を自粛というような期間であれば、なおさら、練習量を確保できそうだ。
 こう考えると、様々な規制に縛られることのない自前の自由に練習のできる練習会場を持つことのメリットをより強く感じるのである。

 上記のとおり、コロナ禍下では、今までとは異なる「練習環境格差」が生じている。
 コロナ禍が去ったあと、強豪と呼ばれる学校や地域の勢力図はどう変わるのであろうか。
 そして、コロナ禍の中でも力をつけたニュー・スターが出現するのだろうか。
 はやくコロナ禍がおさまり、かるた界に変化と進化がもたらされることを楽しみにしている。


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