TOPIC "番外編"
一人練習の相手陣
〜質問に答える〜
Hitoshi Takano SEP/2021
7月12日に東京都に発出された緊急事態宣言は、他府県にまで広がりをみせ、当初の予定を二度延長し、9月12日までの期間となった。
(これも、再延長がないとは言い切れないが、、、)
高校選手権は7月に開催されたものの、8月の中旬には、東京都も新規感染者数が連日5000人を超え、様々な大会も中止または延期になっている。
特に近江神宮で開催予定だった大学選手権が中止になったことは、目標としてきた各大学の選手にとっても残念なことだと思う。
さて、こうした中、会や学校としての練習ができずいわゆる「一人練習」(一人取り)をしている選手も多くいるようである。
以前、「私的かるた論」の中で「一人練習論」というものを書いているので、興味のある方はお読みいただきたいと思う。
今回、たまたまTwitterで、「1人取りのとき、相手陣ってどうしてるか、すごく聞きたい」というツイートを見たので、私の相手陣パターンを返信しておいた。
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3パターンあります。
1)自分の定位置
2)裏返してシャッフルし、右下段5枚、他の段は4枚づつ置いて表に返したもの
3)一人練習用につくった相手陣定位置
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コロナ禍以前であれば、練習会のときの人数の半端でおこなう一人練習の時は、練習参加者の一人にならべてもらうという選択肢もあるだろうが、
コロナ禍で自宅で一人でおこなう場合は、確かに自分で相手陣を並べなければならない。
投稿者は「参考にさせていただきます。」と返信をくれたが、せっかくなので、この私の3パターンのメリット・デメリットを紹介しておこう。
1)自分の定位置
メリット
・並べるのに時間がかからず、暗記時間を節約しようと思えば節約できる。
・自分の定位置を対戦相手の視点で客観的に見ることができ、今後の定位置の改定や工夫に役立てることができる。
デメリット
・暗記をしっかりしないと、相手陣を並べた時の暗記が自陣を並べた時の暗記とごっちゃになって、相手陣の出札なのについ自陣を払ってしまうことがある。
・どうしても友札のわかれ札の関係が、対角線パターンになりがちとなってしまう。(縦関係のわかれの練習になりづらい)
2)裏返してシャッフルし、右下段5枚、他の段は4枚づつ置いて表に返したもの
メリット
・札を並べる時に時間がかからないし、悩まずにすむ。
・暗記に集中する必要があり、初対戦の相手の不規則定位置にも対応するための練習となる。
・ある意味、毎回新鮮な配置で、練習できる。
デメリット
・実戦ではほぼ見ないような不自然な配置となる。
(一字決まりがどこに並ぶかわからない。大山札などが囲い手を前提とした配置にならない。友札が変な形で配置されるなど)
3)一人練習用につくった相手陣定位置
メリット
・自分の一人練習の狙い(目的)にあった配置となる。
デメリット
・しっかり覚えていないと定位置表を見て並べることになったり、最初の配置に時間がかかりがちとなる。
ちなみに、3)のパターンだが、私の場合の狙いは次のとおりである。
自分の通常の定位置が、あまり同音を集めることをしなかったり、友札は待避場所を設けて並べないようにする(相手に送る前に出札となったら待避場所の札は定位置に戻すが、、)と
いった形なので、この一人練習用の定位置は、その逆を行った定位置となっている。
初音の子音レベルで札を集める形である。ただし、母音始まりの「あ、い、う、お」は上段に並べる。
一字決まりに多い「M、S」は下段に置くようにしている。
狙いは、子音レベルで意識して敵陣を攻める練習をするためということである。
私のパターンはこんな感じであるが、強い人やライバルの定位置を入手して、そのパターンで並べたりするのもよいだろう。
それぞれ、練習の目的をはっきりと定めて、それにあった相手陣のパターンを試してみればよいと思う。
本稿が何かの参考になれば幸いである。はやくコロナ禍がおさまり、かるた界に2年前の日常が戻ることを祈念している。
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