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管理人のひとりごと(4)

〜大田かるた会〜

Hitoshi Takano Aug/2025


「大田かるた会」という競技かるたの練習会(練習主催団体)を大田区の社会教育関連団体として登録して、もうじき1年半となる。
 団体の代表となって、手探りでのスタートでとにかく会を軌道に乗せることで1年間は手一杯だったように思う。 新年度となり2年目になったことで、すこし今後の運営方針などを考える余裕ができたと感じている。
 それというのも、昨年度の練習会の対戦をすべてエクセルに入力し、個人成績や対戦クロス表を作成し、 その作業の中でいろいろと思いをめぐらすことで、参加者のニーズという視点を運営面で考慮する必要性を感じたからだろう。 新年度にはいって、新たなタイプの参加者が加わったことや、参加者の昇級報告なども刺激となっている。
 現在は、SNSでの反応や参加者とのコミュニケーションの中からも、参加者のニーズを考えるヒントを得ている感じである。

 そもそも、「大田かるた会」を発足させるきっかけとなったのは、 「鈴ヶ森かるた会」の練習会LINEの閉鎖と月二回の初心者練習会以外の練習会の取りやめだった。
 南大井のシルバーセンターの和室や東大井の区の施設などを利用していたメンバーの新たな受け皿をつくろうという話の中から浮上した話だった。
 区の施設を割引で使うための登録ということで、年長者とキャリアの長さで代表ということになった。
 「鈴ヶ森かるた会」の会長からは、「自分が練習に顔を出せていないため、見ず知らずのメンバーが増加した。 LINEグループもメンバーが自由に招待するので、こちらも見ず知らずの方が増えて把握しきれなくなった。」という課題を聞かされた。 施設利用面でも、利用時間より早く来てしまうケース、清掃・片付けの不備、その他利用ルール遵守の不徹底などの問題がおきていた。 要するに、自由な練習環境では、コントロールが効かなくなっていたということだろう。 年長メンバーで注意喚起はしていたが、やはり責任体制という面では、会長不在の状況から限界があったのだ。
 対戦をどう組むか、遅れて参加するメンバーの待ち時間の管理、読みアプリや札の確保、札分けの指示など、 練習会運営に関する意思決定も、責任者不在のため、練習会参加が古いメンバーがそれとなく対応していた。
 まがりなりにも、代表者として登録された以上は、上記の問題は解決しなければならないという決意だった。 これらの課題対応が、昨年度の1年間だったといってよいだろう。

 まずは、極力、練習会には出席した。自分が事情で競技かるたを取れない状況のときも出席できるならば、運営のためだけに出席した。
 とはいえ、個人的な用務や体調不良で欠席を余儀なくされる事態も生じる。 そこで、区に登録した役員メンバー(自分を含め3人)で役員会をつくり、 練習会の運営はこの3人で行うこととした。事情で欠席する場合でも、3人のうち1人がいれば対応可能だ。
 くちはばったいし、実行できているかは悩ましいところであるが、役員は参加者というお客さんに対して、練習会というサービスを提供するメンバーであるくらいの気持ちではいる。
 そのためにも、練習状況の把握のため記録ノートを作成した。さらに、LINEグループへの招待については、 役員が判断し、情報共有することにした。 練習会のリマインドや各試合の開始時間の連絡、札分けの事前連絡などもルーチンとして行うようにした。
 場所の予約や会計などの担当者を決めて、いろいろな役割を役員3人で分担しながらすすめる体制ができたことは成果といってよいだろう。 対戦組みも、「ああだ、こうだ」と悩んでないで、最終的には役員が「これでお願いします」ということで時間の節約に結びついていると思う。
 ただ、自分の対戦希望が聞かれなかったとかの不満があるかもしれないという点は、少々気にかけている点である。

 この気にかけている点を、できるだけ「参加者のニーズ」を考えることで解消していけないかということが、 本稿の冒頭の段落につながっているのである。

 練習会の参加者のニーズを整理してみよう。
・週1回のコンスタントな練習の場所としたい。
・仕事終わりに出られる日の練習場所としたい。
・試合前に自会の練習がないため、最終調整の場所としたい。
・自会の練習相手と異なる対戦相手と練習したい。
・地方からの上京の際や旅の途中に参加できる練習場所としたい。
・初心者として、基礎から教わりたい。
・上級者からいろいろ学べる練習がしたい。
・同じくらいの実力の選手と練習したい。
・多忙なため、参加できる時には顔を出しやすい練習場所のひとつとしてKeepしたい。
・居心地のよいかるたコミュニティとして参加したい。

 ざっくりと気づいたものだけでもこのようになるが、この中には次の課題も含まれる。
・「練習量の確保」の重視
・「練習の質」の重視

 特に、私が気になるのが「練習の質」の問題である。
 練習量という面では、練習会を開催していること自体が役立っているので問題ない。
 練習の質という点では、競技者自身が、たとえ相手がどうであっても「練習の質」は自分の問題だと考えてくれるならばよいが、 現実には「強くなりたい」と思えば、相手にも自分以上の強さを求めるのが自然な考えのように思う。
 たとえば、D級の選手にとってはA級のバリバリの選手と練習すれば、大差で負けたとしても、 いろいろなものが見えてくると思うし、試合後にアドバイスをもらうこともでき、メリットもある。
 このとき、A級の選手のニーズが歯ごたえのある選手との練習にあるとすれば、メリット感は薄くなるだろう。 双方にとって、win-winの結果に持っていくのは難しいのである。
 特にスポット的に1回だけ、練習会に参加したケースでは、満足感の均一化をはかるのは困難である。 数回にわたって参加してくれれば、ニーズにあう対戦を提供できることもあるのだが、、、
 また、参加人数のバラつきの問題もある。2〜3人しか参加しない時と、10人近く参加する時では、 対戦を組むバラエティが大違いである。 たまたま参加してくれた時に、どういう選手がどれだけ参加しているかにより、参加者ニーズの満足度は変わってしまうのである。

 さて、最後の課題としては、私が対戦者として、どれだけ参加者によい練習相手としての「質」を担保していられるかである。 年齢とキャリア(経験)が説得力を持つかるたを取りたいとは思うが、いわゆる「強さ」の不足は如何ともしがたいところである。
 一般社団法人全日本かるた協会にA級登録していて「大田かるた会代表」という肩書を持っている身を思うとまことに忸怩たる思いであるが、 精一杯練習相手はつとめさせていただきたい。

 興味のある方には、ぜひ一度ご参加いただきたい。

大田かるた会(URL): http://nagaraushi.g1.xrea.com/Oota-karuta/




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