続・後輩への手紙(VII)

Hitoshi Takano jul/2009


前略    4月に入学し、札を覚えて、定位置をつくり、払いの練習をし、初めて”競技かるた”に 接した皆さんも、試合に出て、D級で入賞するメンバーもあらわれるほどに成長したことは 非常にうれしいことです。
 今年は、同時に入会した同期の人数も多く、切磋琢磨の環境ができていることが、いい 結果をもたらしているのだと思います。

 すでに、先輩たちからよく聞かされているとは思いますが、今一度、試合の時の心がけ をお伝えしたいと思います。

 とにもかくにも、まずは、マナー、エチケットを守ってほしいと思います。礼に始まり 礼に終わる競技ですから、ここがきちんとできていないと、いくら強くても、恥ずかしい 思いをします。恥ずかしいのは、自分だけではありません。指導している先輩たちも、 また、OBも恥ずかしい思いをします。
 本人に注意してくれる他会の方々もいますが、たいていは、「慶應かるた会」の所属 だと知れば、その人が知っている「慶應かるた会」の先輩に「あの子のこういうところは、 注意してあげたほうがよい」という忠告が来るものです。
 よくある新人たちに対する注意事項を以下に紹介しましょう。

(1)試合開始と終了の礼は、しっかりと頭を下げ、「お願いします」・ 「ありがとうございました」といいましょう。特に読手に対しては、身体を読手の正面 に向けて礼をしましょう。運命戦などで審判がつくことがあります。審判がついたら、 すぐに審判に対して「お願いします」と礼をします。試合終了の際には、相手と読手に 対してするのと同じように審判に対しても「ありがとうございました」と礼をします。 審判に対する礼を忘れがちになるので、充分に注意してください。
(2)暗記時間も、足を投げ出したり、立てひざをしたり、膝をかかえたり(いわゆる 体育ずわり)をしないようにしましょう。試合中も勿論です。足を伸ばしたり、屈伸の 必要があれば、「失礼します」と相手に断って、その場をはずして、他の選手にも迷惑 にならないように行いましょう。席にもどったら、「失礼しました」と礼をすることを 忘れないようにしましょう。
(3)自分が札を動かす(札の配置を変える)ときは、はっきりと相手に伝えます。 そして、相手の「はい」という返事を確認しましょう。「うなずく」だけの人もいます が、相手のOKの意思表示を確認しておかないとあとでトラブルのもとになります。 勿論、相手が配置を変えて、こちらにそれを伝えたら、はっきりと「はい」と了解の 意思表示をしましょう。
(4)試合の中では、「取った。取らない。」と相手と主張しあうケースがあります。 このときも礼儀をわきまえて、感情的にならずに冷静にポイントを説明しましょう。 互譲の精神をもって、長引かせて暗記が抜けるよりは、譲って次の一枚に備えるほうが トータルでみて、よかったということもあるものです。主張の時には、対戦相手の 名前で「○○さんの手はこうきた」というように相手の名前で、会話できるように 対戦決めの際のカードなどで、相手の名前をしっかり覚えておきましょう。「あなたは…」 といったり「そちらは…」というと、相手によっては失礼と感じる人もいるので、 年上・年下・男女関係なく「○○さんは…」と言ったほうがよいのです。
(5)試合の途中で、お手洗いに行かなければならないような状況になったら、以下の リンクを参照してください。

試合の途中でWC…?!

 昔、別の大学のかるた会の選手が、試合で、思い切り札を遠くに払い飛ばして、 飛ばした札を取りに行かずトイレに駆け込んで戻ってきたということがありました。  多くの組数が取っているので、札の整理に時間がかかり、問題はあらわにはなりま せんでしたが、こういうことをしてはいけません。
(6)自分の試合が終わって応援するときの姿勢も充分に注意してください。他の選手 の邪魔にならないように、また、足を投げ出したりすることなく、できれば正座して見学 するようにしましょう。
(7)試合の最中の移動の時には、読手の後ろをとおることのないようにしましょう。 もちろん、読手の後ろに立って試合を見るようなことをしてもいけません。仲間に とおし(サイン)を送っているのではないかとあらぬ疑いをかけられないようにする ということもありますし、選手として当然配慮すべきことです。
(8)表彰式で賞状を受け取る際には、脱帽し、サングラス(障害のある方は別です が…)などははずすようにしましょう。冬場は、コートの類は脱いで賞状を受け取りま しょう。

 もちろん、これ以外にも細かな点は一杯ありますが、おいおい先輩たちから学び取って ください。

 「慶應かるた会の選手は、かるたも強いし、挙措動作も美しいし、マナーもきちんと している」と他会の方々からいわれるようになりたいものです。
 こうした評価は、これからの慶應かるた会を担うみなさんの双肩にかかっているのです。
草々

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