続々シン・後輩への手紙(I)
Hitoshi Takano Jan/2026
練習仲間
新年あけましておめでとうございます。
昨年も、練習会でお世話になりました。
昨年の途中で、記録帳の対戦相手名が変更になりましたが、新対戦名でとりあえず1勝させてもらえてよかったです。
さて、KS君の練習相手であり指導対象である所属会の小学生の現在の評を共有しておこうと思います。途中で来なくなってしまったメンバーははずしてあります。
指導の際の参考にしていただければ幸いです。
<AE>:札を取る力はあるし、その点については伸びていると思います。敵陣も攻めていれば取る力はあると思います。しかし、いかんせん、お手つきが多いのが問題です。
音への「感じ」のままに聞き分けずに払ってしまったり、送った札の元あった場所を払ったり、前の試合の暗記が残っていたりするのが、主な原因ですが、自覚と集中力の問題だと思います。
自分なりのかるたについての方法論を持っているようで、上級者のアドバイスよりも自分の考えを優先するようなところがあります。
強くなるために上級者のアドバイスを試してみようという気持ちになるまでは、自分なりの考えで工夫してみるのもいいと思います。
遠回りになるかもしれませんが、何かを身につけるには、自分が納得することが大事なのですから。
<HN>:親御さんが自宅練習のアシストをしていることもあり、すなおに大人や上級者のアドバイスを聞いているので、順調に力をつけてきていると思います。
しかし、同級者の小学生の意見を気にしすぎるようなところもあるようで、「自分はこうしたい」という思いを上級者や大人に遠慮なく相談できるようになれば、情報の有効活用ができると思います。
身長の関係もあって攻めには苦労しているようですが、友札のわかれは攻めるという意識を実践しているので、背が伸びたり、ちょっとしたコツをつかめれば、攻めの感覚が成果とともに身についてくると思います。
自陣の守りも払えるようになってきているので、いずれ大会でも結果がついてくるように思います。
<MK>:決まり字札を卒業しましたが、決まり字札を使っている時から、得意な札の取りは早かったのが印象に残っています。
払い練習の成果だと思いますが、得意な札を中心に目を見張る払いもふえてきています。集中力もあるようですので、練習効率がよいと思います。
引続き練習を積み重ねていけば、どんどん強くなると思っています。
<NY>:しっかり覚えている暗記の範囲が自陣を中心としていて狭いという感じがあります。好きな札は敵陣でも覚えているようですが、最初の50枚の暗記は不十分感があります。
最近、定位置表をつくったようなので、これで、暗記効率があがることを期待しています。あとは、取り(手)が見えていないので感覚で主張しているため、モメが多いのも気になります。
上級者と取っているときは、判断をまかせきっているようですが、小学生同士で取っていると双方ともにみえていない主張のようで、具体的でも論理的でもない感覚的主張に終始してしまっています。
練習時間にも限りがあるので、なかなか主張に関しての指導をしてあげられないのが歯がゆいです。
昨年は怪我での練習離脱の期間があったのが残念ですが、今年は自分の課題を自覚しながら、目的をもって地道に練習を積み重ねていってほしいです。
練習の前の払い練習の成果が、試合形式の練習で実践できていない感じも残念です。
<NS>:まずは、決まり字札使用からの卒業が課題です。
<RK>:堅実なかるたで、着実に力をつけているのですが、ブレイクスルーが必要な時期にきていると思います。
小学生同士の対戦であれば、今の方法論で充分に力をだせるし結果もついてくるので、本人はブレイクスルーの必要性は感じていないのかもしれません。
しかし、上級者との対戦で成果をだすことや、小学生同士の対戦でも終盤に相手に守られて追い上げられる展開をもっと楽に逃げ切れるようにするためにはブレイクスルーが必要です。
ブレイクスルーは、攻めの強化以外になりません。そのためには、自陣の札への強すぎる意識を意識せずとも自然に感じられるようにし、敵陣への攻めの意識を強くすることです。
友札のわかれを自陣に先に感じていることが多いのですが、敵陣に先に感じるようにしないと上級者相手には厳しいと思います。
かるたのスタイルをかえると一時的には上級者との枚差が開いたりするので弱くなったように感じるかもしれませんが、実践できるようになれば、必ず成果が出るようになると思います。
ぜひ、ブレイクスルーにチャレンジしてほしいと思います。
<SW>:1年間365試合の練習量は伊達ではありません。払いにしても配置にしても札の送りにしても、基礎は身体に沁みついていると思います。
大事なのは、本人の勝ちたい・強くなりたいというモチベーションだと思います。
モチベーションの充実と、方法論の工夫をしようという気持ちがのっかれば、身体に染みついた基礎やスキルが自然に発揮できると思います。
お手つきが多いのも、集中力が課題なのだと思います。周りの対戦などに気をとられがちなところもあるので、目の前の自分の試合への集中を心がけてほしいと思います。
練習にいける環境が整っているので1試合の重み・ありがたみを感じていないのかもしれません。
諸刃の剣でちょっと危険かもしれませんが、1か月くらい練習を休んでかるたの練習に対しての飢餓感を感じてからの復活という意識改革という荒療治を考えてみてはいかがでしょうか。
おそらく1か月くらいの休みがあっても、今までの練習量からすれば、復活の際には感覚が衰えているというよりも感覚が研ぎ澄まされているような効果が得られるようにも思えます。
量から質の練習へのシフトにつながるとよいのですが。
<AO>くんや<FO>さんも練習で見かけなくなってしまいましたが、「また、かるたが取りたい」と言ってきてくれるといいですね。
中学受験や塾通い、部活などで小学生もいそがしくなると思いますが、KSくんのアドバイスが「かるた」へのモチベーション向上に役立って、練習会が多忙な小学生の息抜きの場になってほしいですね。
もう一点、年末のKS君との対戦で感じたことを書いておきます。
KS君は、私のかるたを熟知していますので、終盤での私の右中段定位置札の送りは見事でした。
私が、送った札の元の自陣の場所を払ってしまうお手つきは、圧倒的に右中段が多いです。さすがに170試合以上取っているだけはあります。
相手の特徴や個性を考えて、かるたを取ることはよいことですが、対戦回数の少ない相手との時に、あまり思い込みで策をたてないように気をつけてください。
「策士、策に溺れる」にならないように注意してください。
次に自陣の上段の取りについてです。二字や三字の自陣上段中央札を早めの手出しで、指先で手前に引く取りを身につけたのは、素晴らしいです。
その技術により、上段中央置きの相手に対しての自陣の取りで、敵陣を触るお手つきが格段に減りました。
しかし、それにより、以前はたまにはできていた自陣上段中央の突き手が減りました。
また、双方の上段中央が減り出して、自陣上段ひっかけを気にしなくてよくなった場面での、相手の上段への手の出し方が以前より高くなっています。
おそらく自陣上段の取りの癖がでてしまっているのかと思います。この点も気をつけてもらえれば良くなるかと思うので、意識してみてください。
私は、今年は、自分の取りやすさファースト、自分のお手つきリスク減少を心がけたかるたを取ろうと思っています。
自陣の札の移動は最小限を心がけ、「札移動します」のコールをしないでの勝利を目指そうと思っています。
では、今年も各所の練習会で、どうぞよろしくお願いいたします。
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