続々シン・後輩への手紙(II)
Hitoshi Takano Mar/2026
範を示す
前略 プライベートのほうが忙しいようですね。競技かるたよりも優先順位の高い活動が出てきているように思いますので、重要な事案からこなしてください。
さて、先日久しぶりに三田婦人室の練習会でお話しすることができましたが、所属会の中高生の範になろうとしている気概を聞き、頼もしく感じました。
特に小学生たちには、言葉では響かない点もあるようですので、自分の背中を見せるというか、自らの行いで範を示すようにしていただきたいと思います。
ライバルや私に勝ちたいという意識で、いわゆるセオリーを崩す送り札は、小中学生相手には封印して、いわゆる攻めかるたのセオリーを実践してほしいと思います。
送り札の狙いなどについて、練習後に質問を受けたら、理屈をきちんと説明できるように、自らがセオリーにのっとった行動を示してほしいと思っています。
さらに、マナーの面においても、よく見ていると小学生に注意していることを自分が実践できていない場面を目にすることがあります。
この点でも、しっかり意識して率先垂範してください。
もう一点、中学生への指導で、いわゆる「もめ」「主張」の際の指導もしっかりとしてもらいたいと思っています。
大きな部分では、「感情のコントロール」で熱くならないようにしっかり伝えてください。
その延長になりますが、熱くなった時に不適切な言葉使いや態度をしないように指導してください。
私がKS君に指導したように「理屈」で主張することの重要性を伝えてください。その前提は、払いの瞬間を目で追うことの習慣づけです。
見えてないことが多いように思いますし、見えていないのに感覚で主張し、泥沼にはいってしまうことがあるように思います。
指導するKS君も、範となるためにはしっかりと目で追ってください。
多いケースは、払いに勢いとスピードがあるので札押しの場合、内側の札に到達するのは早いのですが、
相手が少し遅れて札押しで出札が競技線外に出切る前に触れた時などに、それに気づかずに「もめ」るケースです。
あとは、KS君も上段使いなので経験があるかと思いますが、上段中央圏の札を勢いよく押さえにきて自分がとった気になっていても、
相手が札の下から突いていた感覚を察知できていないケースです。
そういうケースがあることを説明して、ひとりよがりな主張にならないよう相手の主張も冷静に聞いて判断することを教えてあげてください。
私自身も、右下段の一番内側の札の横の払いと相手の札の上からの突きとのタイミングでもめることがあります。
相手は遠い札を取りにきているので勢いがあることは確かですが、近いという地の利があり微妙になることが多いです。
このケースは、私も目が追いきれないことが多いです。
見えていない以上、自分がセームと感じた場合は相手に利があるように思っています。
主張はしますが、相手の主張に説得性があれば、引き際は心得ています。
若いころは、相手の口のきき方が気に入らずに無理な主張をしてしまったこともありましたが、いまでは「若気のいたり」と反省しています。
とはいえ、主張の口のきき方で、相手が意固地になってもめてしまう事例として、主張のときの冷静で相手を尊重した丁寧な話し方の重要性を理解させてあげてください。
いろいろと書きましたが、KS君が後進の指導に非常に前向きになっていることを心強く思います。指導者としても成長することを願っています。
また、各所の練習会で、どうぞよろしくお願いいたします。
草々
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