続シン・後輩への手紙(番外編)

Hitoshi Takano   Dec/2025

おめでとう



前略 ご結婚おめでとうございます。
 先月18日に入籍して、名字もかわったそうですね。KH君からKS君ということで、競技生活も新しい姓で登録していくと聞きましたので、名札も新しくしました。
 さらに、来年にはパパになるとのことで、重ねておめでとうございます。
 新姓デビュー戦は、1回戦2枚差負けだったそうですが、今後の活躍を期待しております。
 さて、他の箇所でも紹介したことがありますが、職域学生大会の職域チームのレジェンド選手の結婚とかるたについての名言があります。
 「結婚して強くなったとか、弱くなったとかよく聞くけれども、一番多いのは結婚したら、かるたを取らなくなっただよ。」
 実際、そうなのだと思います。
 この方は、かるた選手同士の結婚で、かるたを続けてらした方です。
 しかし、相手が競技かるたと無縁の方である場合、続けていらっしゃる方は、そう多くないと思います。
 進学と共に競技から離れたというケースもいますし、就職と共に競技から離れたという方もいます。 この二つのハードルは越えたものの、結婚と共に競技から離れたという方もいます。
 結婚してからも競技は続けたものの、子どもができたというハードルで、競技を離れる方もいます。
 KS君の前にはこの二つのハードルがあるわけですが、頻度は減らすものの競技は続けていく覚悟と聞きました。
 長い人生、仕事や家庭の事情で、数十年競技から離れていた方が、練習を再開して再び競技に向き合う方もいらっしゃいます。
 もちろん中には、数年で復帰される方もいますし、最小限の期間で戻って来られる方もいます。
 KS君は、真面目ですから、家庭のことも仕事のことも競技のこともすべて同じように向き合うかもしれせん。 でも、これは結構大変です。
 わたしも、結婚当初の時期が、職業人生の最大の繁忙期とかさなり、2年11か月、練習できない、試合に出られないという点では、競技から遠ざかりました。 とはいえ、実際にかるたを取っていなかったというだけで、気持ちの上では現役の競技者でしたから、競技という観点から、幅広く学び、考えることをしていました。 また、練習再開に向けての様々なイメージを持つこともしていました。
 言うまでもないと思いますが、KS君には優先順位をつけてエネルギーを傾斜配分していってほしいと思います。
 周囲の選手が、どんどん強くなって、昇級し、自分が取り残されているように感じることもあるかもしれませんが、 競技以外の面で充実していれば、それは、きっと競技にも生きてきます。
 まあ、やることがたくさんあれば、今まで以上に「段取り」が大事になります。また、効率化、合理化もマルチタスクをこなすうえでは大切なことです。 大田かるた会の練習に参加できる頻度は減るかと思いますが、役員をお願いしているわけですから、参加した時には役員としての「段取り」や「効率化」を自分で考えて役割を果たしてください。 「何かやることはありますか?」と聞いてくれるのは聞いてくれないよりはよいですが、それは、一般参加者のレベルです。 むしろ、KS君が聞かれる立場であることを自覚していただければ幸いです。
 参加が少なくなるのはやむを得ないのですから、せっかく参加できる時には、練習にしても運営にしても「密度の濃い行動」をしないと時間・機会がもったいないと思います。
 そもそもの話になりますが、練習に顔を出せないとか、今まで期待されていた会における自分の役割が果たせないとか、気になることがいろいろでてくるかもしれませんが、そういうときは自分ひとりでかかえこまずに、遠慮なく相談してください。
 競技よりも何よりもKS君の人生の幸せをお祈りしていますので。
草々


         前の手紙へ

手紙シリーズのINDEXへ


トピックへ
私的かるた論へ
慶應かるた会のトップページへ
HITOSHI TAKANOのTOP PAGEへ

Mail宛先