インドへの手紙(VI)

Hitoshi Takano   Oct/2015

Scholarship?



前 略 S君、8月下旬の誕生日で16歳になったようですね。しし座の生まれだったのですね。おめでとうございます。

 さて、「競技かるたのトーナメントの勝者に与えられる奨学金(Scholarship)はないのか?」という質問には驚きました。S君自身は自信があるのでしょうが、残念ながらそういうシステムはありません。日本文化に関する財団法人などに提案してみてはいかがでしょうか?

 それから、気温の話題で、インドの気温の高い中での生活に慣れているから、高校選手権のように日本の夏の暑い時期での試合だったら、自分は有利だというポジティブシンキングには感心しました。でも、寒い時期は逆に不利ですけれど…。

 話は、前回の手紙の話になりますが、マイクロソフトのワンドライブからのダウンロードは、スマホでは時間がかかるようですね。ダウンロードできるまでの間、参考になる画像を見たいと思ったので、とりいそぎ3本の動画をアップしました。これは、肖像権の許諾を得る必要がない私の一人練習の様子ですので、私が恥ずかしいという以外は問題のないものです。

 (もしこのサイトを読んでいる方で見てみたいという方がいれば、 「ここ」をクリックしてください。一応、PW入力的な手間をかけないと見られません。)

 ここでアップしている動画は、大石天狗堂の決まり字百人一首の5組別けの20首ずつを空札なしで取るという一人練習の様子です。こんな練習でも、"a fantastic idea"との賛辞をありがとうございました。読みのアプリのダウンロード方法も紹介したので、有料コンテンツではありますが、入手して試してみてください。
 撮影のアングルもいろいろな方向から写しました。様々な角度から私の取りの様子を見ていただけたと思いますが、一番は正面から撮影したもののようですね。
 出札ではない他の札を払ってからの出札の取りを"messed up"と表現されたのも勉強になりますし、私の動きを"precise"と表現してくれたことも参考になります。
 何よりも"I believe that a little speed in taking the cards depends upon the shortest distance."ということを私の一人練習の動画を見て感じてくれたことは、多くの人に見られたくないと思いつつアップして、S君のためにはよかったかと思っています。

 使用している札が異なる点にも気付きましたね。たぶん、質問してくるなと思って「競技かるた制定100周年」の記念札を使いました。こちらの読みどおりでした。(笑)

 話は変わりますが、S君はエンジニア志望なのですね。しかも、インドの鉄道のエンジニアになりたいとのこと。夢を追いかけてください。しかし、Karutaを好きなのと同様にTrainが好きだという表現には、思わず笑ってしまいました。私に「好き」の度合いを伝える基準は「かるた」だったのですね。これは、相当本気に好きだということがわかりました。

 S君が、"てっちゃん"であることがわかったので、日本に来たら、ぜひ「新幹線」には乗ってみてほしいですね。東京でかるたの練習をして、新幹線に乗って近江神宮に行ってもらわないといけませんね。「かるた」と「鉄道」の両方を楽しむ日本の旅が実現できることを祈っています。

 その後、追加で、2本分の20首ひとり練習をUPしましたが、「むすめせ‐うつしもゆ‐ひち」の20首は、相当に出来が悪いです。一字決まりと「うつしもゆ」を苦手にしている私にとっては鬼門でした。もう一方の「みたこい」の20首も、二字が多く、お手つきを恐れているせいか、初動が遅く見ていると自分で本当に恥かしくなります。あえて、S君のために掲載したので、指先や手首の使い方や、肘から先の使い方など役立ちそうなところだけを参考にしてもらえればと思っています。
 手間どっているようですが、S君の新しい動画のアップも心待ちにしています。次のメールを楽しみにしています。では、また。
草 々

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