新・後輩への手紙(番外編)

Hitoshi Takano Mar/2012

第97回 職域・学生大会に際して


前略  昨年の春、東日本大震災の影響で中止になった第95回職域学生大会でしたが、夏には定例の開催を果たし、3月25日には2年をあけての春の大会が開催されることになりました。
 しかしながら、今回、職域学生大会E級申し込みチームは36チームあり、会場のキャパシティの関係で22チームしか出場できない状況が生じてしまいました。そこで、大会実行委員会の決めごとにしたがい、優先順位にしたがって参加チームを決めていくと、第4優先順位に該当する10チーム中2チームが選外となることとなったのです。実行委員会による抽選の結果、この不運な2チームとなったのが、我が慶應義塾教職員チームと某女子大チームでありました。

 今回こそはと捲土重来をはかり、ついに交代要員を要するチームとして参加するはずだった我々は、夏に再起を期さざるをえないこととなってしまいました。職員の中には雇用期間の定めの関係で、来期には出場できないものもいます。夏は、また、新たなチームとして生まれ変わらねばならないわけです。すでに、3月25日当日を見据えて、計画的に練習に取り組んできたメンバーもいる中、残念ではありますがやむをえないことです。これから予定した練習日もありますが、出場できないとなると練習のモチベーションも異なるものとならざるをえません。中には、練習に参加しないという選択をするメンバーもいることでしょうが、職域出場というロウソクの灯芯についてしまった火を消すために練習を重ねるものもいることと思います。たとえ、火を消すための練習であったとしても、この練習が夏の大会へと続いていくものでなくてはならないと思っています。
 慶應義塾教職員チームの出場は、このように露と消えてしまいましたが、慶應義塾大学はAチーム・Bチームと出場します。また、慶應義塾湘南藤沢中高等部も出場します。同門チームの活躍を心から祈っています。

 さて、そのようなわけで、現役諸君、特に職域学生大会のメンバーの選に漏れ、出場できないメンバーに向けて、メッセージを送ることとします。

 現役の出場チームは2チーム、最大8名の登録枠を最大限活用しても16人です。練習にコンスタントに参加するメンバーの中でも10人以上が登録の選から漏れることになります。
 職域は、出場している5人のメンバーだけで戦うものではありません。チームとしての総合力として戦うものです。選手に対する練習相手として、そして当日の応援者としての役割があります。
 試合当日は、他チームの情報収集や買い出しなどのサポートがあることは重々承知していることでしょう。
 ぜひ、その役割を果たしてほしいと思います。
 ただ、私として一番重視したいのは、直前までのいわゆる職域練習での練習相手になることです。出場する選手にとってよい練習相手となることは大事なことなのです。そして、それは自分自身の練習にもなるということであります。
 練習の積み重ねは、その次の大会での選手への選抜への第一歩となります。

 もちろん、当日試合会場に来れない人もいるでしょうし、練習にも参加できない人もいることでしょう。でも、そういう人たちもぜひ、自分ができる範囲で、チームに貢献することを考えて実践してほしいと思います。そういう貢献の積み重ねが、大事なのです。

 もっとも直接的な貢献は、自分が強くなって、メンバーとして出場し、勝利をあげることですが、今回はそれができない訳ですから、将来の直接的貢献に向けて、現在できる貢献をしてほしいと思います。

 第97回職域学生大会での、慶應関係チームの活躍を強く願っていますが、この願いや祈念の想いも出場できない人間ができる貢献のひとつです。
 人の想いというものも大きな力だと信じるからです。

 何にしても、次の夏の大会には我がチームも納得のいく形で出場したいと願っています。
 まずは、現役諸君の活躍の成果をみせてもらたいものです。

 「がんばれ〜!」
草々


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