<百人秀歌>
清少納言
夜をこめて鳥のそらねにはかるとも
よに逢坂の関はゆるさじ
「鳥のそらねははかるとも」(一首)→「鳥のそらねにはかるとも」(秀歌)
の助詞一文字の違いがある。
清原深養父の曾孫だとか、
清原元輔の娘だとか、そういう係累関係については、すでに「小倉百人一首」の項で
書いているので、ここで重ねて書くことはないと思う。(といいつつ書いていることになって
しまうが…)
さて、清少納言が著した「枕草子」は平安時代の随筆の傑作といわれる。日本三大随筆
の一つ(他は、「方丈記」(鴨長明)、「徒然草」(吉田兼好))と称される。
「随筆=エッセイ」であるとすれば、清少納言は、平安時代の女流エッセイストである。
この「枕草子」の全訳に挑戦したのが、橋本治氏である。これが普通の訳ではない。
現代の若い女性の言葉という意味で、橋本氏の代表作「桃尻娘」からネーミングされた
「桃尻語訳」の「枕草子」なのである。河出書房新社から上・中・下の三巻で刊行されて
いる。
この桃尻語訳枕草子は、枕草子訳の傑作であり、ぜひ古文嫌いの高校生に読んでもらいたい
と思う。時代背景や、当時の文物などの解説もついており、平安時代の宮中をのことを学ぶ
上で、すばらしい教材だと思う。
最後に、この桃尻語訳枕草子から、この歌の訳を紹介したいと思う。
「夜深く、鶏(とり)のウソ鳴き仕掛けても、調子よく会う逢坂の関、だめなんだも〜ん
(頭いい関守がいますもん!)」
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2008年6月6日 HITOSHI TAKANO