TOPIC   "番外編"

競技への「覚悟」

〜身体のメンテナンス〜

Hitoshi Takano SEP/2012

 昨年9月下旬、初めて症状が出てから約30年の付き合いになる「ぎっくり腰」に なった。(この辺の詳細はTOPIC番外編(第8回)を参照) いったい、何度目だろうか?癖になるといわれていて、一度などは、かるたで敵の右 下段 を抜きにいったときに「ぎっくり腰」になったこともある。
 この時のトラウマだろうか、以来右下段を抜きに行くときに、腰でふんばれなくなっ て (変な表現だ)しまった。行儀は悪いが、右下段を抜いたら、無理せずそのままゴロ ンと 転がるようになってしまったのだ。
 整形外科では「腰部捻挫」との診断で、コルセットは2枚持っているが、あまりつ けすぎ ると筋肉が弱くなるので早くはずしたほうがいいと周囲には言われる。
 今回は前回からの間が短く、しかも特になおりが良くなかった。どうやら、腰への 負担 の原因はベッドにもあったらしく。最終的にはベッドも買い換えることにした。
 それとは、別に“Club8”のメーリスに経験者の対処法を教えてほしいとメールを 出し た。その結果、大学かるた会の大先輩から以下の回答をもらった。

急性期は安静が一番です。鍼は麻酔のようなもので、一時的には痛くなくなりますが、 整骨院に行く・待たされて椅子に座るなどで悪化の可能性があります。 整体は周りの筋肉をほぐしますが、ぎっくり腰は関節なので期待出来ません。 2〜3日安静で、鍼(これは血流をよくする)・整体がいいと思います。
鍼・整体・リフレクソロジー・整形外科に、腰・肩・膝などで週2回、症状に応じて 通っています。

 それまで、ハリに行ったことのなかった私だが、これをきっかけに鍼灸院にいくこ と にした。以来、月に2回のペースで通っている。もうじき、1年が経過する。
 現在の体調をみると、ベッドを変えたせいもあるかもしれないが、鍼の効果なのだ ろ う、ずいぶんと体調はよくなった。
 治療に費用はかかるが、年をとるということは、自分の体のメンテナンスにも金を かけないといけないということなのだ。

 だいたい、かるたの姿勢は、健康にはよくなさそうだ。番外編の第8回でも書いたが、構えも、取り(払い)も、身体の各所に過度の負担をかけているに違いない。まして敵陣を攻めようものなら、その負担は自陣を取る時の何倍にもなるのではないかと思う。
 そして、試合の中で感じるストレス・緊張感・プレッシャー。精神への負担は、当然、身体にもでる。しかし、これが、日常の仕事などの社会生活でのストレスとは違うので、社会生活のストレス解消につながるのだから不思議なものだ。

 若いときは無理もきいたが、年齢をかさね、知命の年齢を超えるとそうはいかなくなる。やはり、身体のメンテナンスが重要になるのだ。
 ふだんの生活をしているだけなら、何も身体のメンテナンスに鍼灸院などにいったりせずとも、通常の休息でよいかもしれない。しかし、競技かるたをそれなりに継続しようとするならば、このお金をかけた身体のメンテナンスは避けてとおれないように感じるのだ。
 身体のメンテナンスは、競技を続ける「覚悟」なのだと思う。

 特に鍼灸院他にお金をかけて身体のメンテナンスをするのは、大きな大きな「覚悟」なのだと思う。

 鍼灸院で鍼治療を受けるようになって1年。こんなことを考えた。

 今年も、もうじき慶應義塾職員名人戦の時期が来る。はてさて、私の「覚悟」は、挑戦者を退けることができるのであろうか?

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