TOPIC   "番外編"

第14期慶應義塾職員名人戦

〜初めての4人出場〜

Hitoshi Takano NOV/2017


 11月25日(土)、三田祭でにぎやかな三田キャンパスの中でも割と静かな一角、購買棟の2階婦人室は10時の集合時間を迎えていた。定刻に事前エントリーの出場選手4名とと運営にあたるOB1名が集まった。
 昨年度、一昨年度と4人のエントリーがあったが、当日の発熱での欠場者があって、結局3人の壁を超えることはできなっかたが、ついに今年度は4人の出場を実現した。
 とはいうものの、運営の手伝いを予定していたOG1名が体調不良で欠席となり、3年連続で体調不良者を出すという結果となってしまった。やはり、開催時期に工夫が必要かもしれない。
 今回も、日程調整には苦労した。本来は5人のエントリーを予定していたのだが、年内実施のためには、4人出場可能なこの日にせざるをえなかったのだ。参加できなかった鈴木初段には大変申し訳ないが、人数が多くなるということはこういう可能性もおおきくなるということでいたしかたないとあきらめるしかないだろう。
 4人参加は、目安としては総当たりのリーグ戦なのだが、出場者の事情等もあり、今回はトーナメント戦ということになった。午前中に1回戦二組、午後の1本目は三位決定戦、午後の二本目は決勝戦、午後の三本目は運営の方をまじえた練習試合の予定である。
 冨田大会実行委員長の挨拶で開会式を行い、優勝カップ・準優勝カップの返還のセレモニーに引き続き競技開始となった。
 1回戦は、ディフェンディングチャンピォンの高野五段がシード権を行使し、前回の上位者の山を別にする選択をしたため、高野五段と戎井三段の対戦は初戦ではないことになった。対戦カードによる対戦決めで、高野五段対乙子選手、戎井三段対中井選手という組み合わせになった。
 今年度から練習をはじめた理工学メディアセンター所属の中井は当然のことながら初出場である。さすがに初心者では、競技経験豊富な戎井を崩すことは難しく20枚差で軍門にくだる。とはいうものの、3枚取って相手のお手つきを2回引き出したことは現在の彼我の実力差からいえば善戦といってよいだろう。一方、4月以来のかるたとなる乙子も、耳は大丈夫といいつつも勝負勘と取りの切れが不足し、18枚差の大差となってしまう。得意札がはやいという個性ある取りがみられず、堅実な高野のかるたの前に封じられてしまった。
 山食での食事のあと、三田祭名物福引で盛り上がった選手一同は、三田祭で模範試合や体験会などを実施している現役陣の部屋を訪れる。中井には、2年生のA級選手と5枚対5枚の体験をしてもらう。一般客の体験参加の様子をみていたが、楽しんでいただけているようだった。現役がこういう機会に普及面でも頑張ってくれているのは嬉しいことだと思う。
 午後の一本目は三位決定戦の予定だったが、中井が都合で退出し、乙子は不戦勝で三年連続の三位となる。乙子は、相手を変えて運営サポートの冨田と練習をする。高野と戎井はそれぞれの方法で、決勝にむけて調整を行う。
 充分に休養した高野と戎井の決勝は、高野のリードから始まる。序盤から冨田審判に裁定を二度依頼するという白熱した展開で、自陣の「しら」を「しの」で払うお手つきにより、戎井の追撃で高野15枚、戎井16枚の1枚差に迫られる。しかし、その後、戎井が「あらし」「あらざ」のダブと、単独お手をして、流れは高野に一気に傾く。そのまま1枚対12枚で高野は自陣に「もも」を残してリーチ。ウィニングカードは、戎井陣の「もろ」だった。  高野は初の4人出場大会で、11回目の優勝をとげた。
 午後の三本目は、決勝戦の後半に手伝いにきてくれた中山と朝から八面六臂の活躍をしてくれた冨田の練習。高野が読手をつとめた。結果は運命戦で冨田の勝利に終わる。そのあとはお楽しみの懇親会であったが、三田祭の土曜夜の店は学生たちであふれることが懸念され、田町駅の芝浦方面にむかうことになった。
 懇親会からの参加OGもおり、日中は欠席の体調不良のOGも顔だけ出しに来てくれた。このイベントを覚えていてくれて本当にありがたいことだと思う。
 来年度からは、競技かるた経験者が2名職員となる予定である。このイベントもますます盛会になるが、それだけに日程調整も難しそうである。開催時期なども含め、運営を考えていかなければならないと思っている。
 お手伝いに来てくださった皆さんと参加選手のみなさんには心より感謝を申し上げたい。また、来年もよろしくお願いします。


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