TOPIC   "番外編"

”第16期”慶應義塾職員名人戦

〜連覇〜

Hitoshi Takano OCT/2019


 2019年10月5日(土)、三田婦人室。慶應義塾職員名人戦は今年は10月開催となった。10月の開催であるが、最高気温は30度の予報。冷房をかけているものの真夏の試合と変わらないコンディションである。
 エントリー資格者の増加により、日程調整が難しくなり、早い時期からの調整で参加人数が最多の可能性のある日を設定した。 その後の事情変更で出場できなくなってもやむをえないという割り切りをせざるをえなかった。その結果、5人の参加ということになった。
 今年は8月の職域学生大会にチームとしては不出場であったので、会のイベントとしてはこの職員名人戦がほぼ唯一の大イベントである。

 定刻には、出場の5人と会を運営する係員としてT君が集まった。予定されていた運営係のH君は到着していないが、連絡もないので「午後開始と間違えているのかな」 などと言いながら、会を始めることとなった。

 職員かるた会の総会で予定の議案を決議したあと、開会式が行われた。T君に運営委員長をお願いし、前回の優勝杯と準優勝杯の返還を行った。 開会式のあとは対戦決めである。5人トーナメントなので、くじを参加者にひいてもらうことになった。前年度優勝者にはシード権があり、まずは1回戦の勝者との対戦のヤマにはいるか、2回戦(準決勝)から出場相手との対戦のヤマにはいるかの抽選を行った。
 連覇のかかるH六段は、2枚の番号札から1枚を選ぶ。2回戦から出場の対戦者のヤマと決まる。
 次に残りの4人が番号札を引いていく。昨年の順位の順番にくじを引く。前回準優勝のE三段は1回戦勝ち上がりの対戦者と対戦するヤマに入る。 前回三位のT五段は1回戦から出場となった。前回出場のS初段も1回戦出場が決まる。今回初出場のS二段は、2回戦からの出場だが、対戦相手は前回覇者のH六段と決まる。

 1回戦の読みはT運営委員長。すでに永世称号を得ているT五段が、1年ぶりのかるたというS初段を序盤から突き放す。しかし、しばらくするとS初段も感覚を取り戻してきたようで自陣を中心に札を取り始める。 S初段の追い上げにもT五段はあわてず、落ち着いた取りで、序盤でついた差をキープして8枚差で勝利をおさめる。S初段は二年続けての一回戦敗退となった。
 少し早いが、午前11時15分から1時間の昼食休憩。S二段以外は山食で食事。なんとH六段は山食での食事は初めてとのことであった。

 昼の休憩のあと、S初段は少し早く帰らなければならないというので、T運営委員長と練習してもらうこととなった。そして、残りの4人は準決勝を戦うこととなった。
 まずは、H六段とS二段の対戦。メインの畳ではなく小部屋での対戦となったが、あぶなげなく14枚差で勝利を遂げ、連覇に向け好スタートを切る。昨年は発熱を押して出場していたが、今年は風邪で喉が痛いとのことであった。 ピーキングに問題があるのかもしれないが、彼にとっては20日の名人戦予選こそがピーキングの対象であるので、悪いものは今のうちに出しておいた方がよいのかもしれない。
 準決勝もう一試合は、T五段とE三段の対戦。過去に職員名人戦で何度も対戦したカードである。序盤は互角、中盤もほぼ互角で、終盤への入りところでT五段がやや優勢ということになり、決着は4枚差ということになった。

 午後の二試合目は、決勝と三位決定戦ということになる。
 ここで一波乱が起こる。
 E三段が棄権を告げたのだ。準決勝で首を痛めてしまったのだ。12年前にも首を痛めたことがあり、古傷といえば言えないことはない。無理をしないほうがよいのは言うまでもない。初出場のS二段は戦わずして三位入賞を勝ち取った。

 さて、決勝は昨年の準決勝で熱戦を演じたH六段とT五段の対戦となった。読みはE三段。決勝戦のとなりでは、T運営委員長とS二段の練習が行われている。
 決勝戦は、A級の大会で優勝する実力者のH六段は風邪の影響を全く見せずに序盤から差をどんどん広げていく。T五段が枚数を減らすのは相手のお手つきの時といった具合で、結局は14枚差で勝敗が決す。
 下馬評のとおり、H六段の連覇が決まる。

 さて、係員の予定だったH君からやっと連絡が入った。体調不良で寝込んでいたそうである。これまた、やむをえない。
しかし、昨年も書いたかと思うが、選手にも係員にも今年も様々な体調不良者が出てしまった。なんとか関係者全員が健康な状況で大会を開催したいものだと願う。
 表彰式のあと、練習を行う。T五段は4試合目である。H六段に言わせると「T五段が4試合取るのをはじめてみた」とのことである。
 たしかにT五段にとって4試合取るのは久しぶりであるが、職域学生大会では4試合取ることを目標としているので、4試合取ることができると実証することは大事なことなのである。 「3試合もあまり取りませんよね」という声もあったが、土曜練習は人数の関係で読みをするので2試合ということが多いが、結構3試合取る機会もあるので今回の言われようは、T五段的には不本意であっただろう。

 最後に、例年のことであるが、運営の手伝いに来てくださった皆さんと参加選手のみなさんには心より感謝を申し上げたい。
 「また、来年もよろしくお願いします。」


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