愛国百人一首
蒲生君平
遠つ祖の身によろひたる緋縅の
面影浮かぶ木々のもみぢ葉
<愛国百人一首における決まり字>
トオ(2字決まり)
<愛国百人一首における同音の数>
ト音3枚のうちの1
<歌意・鑑賞>
蒲生家の遠い先祖が身につけた緋縅の鎧の面影が眼前に浮かんでくることである。
秋に色づいた木々の紅葉の葉を見ると。
蒲生君平の詠んだ先祖とは、蒲生氏郷である。一般論としての武士とその先祖という
読み方よりは、具体的なイメージをもって読んだほうが実感がわくというものであろう。
<コメント>
下野国宇都宮の商家の人。名は秀実、通称伊三郎、君平。福田姓であったが、祖母から
「先祖は蒲生氏郷」と聞かされており、決然として蒲生に改姓したという。
鹿沼の儒者鈴木石橋に経史を学び、藤田幽谷(東湖の父)や
林子平らと交流した。水戸学の影響を受け、遍く天下を歴遊
し、歴朝山陵の後輩を嘆き、天皇陵を調査し「山陵志」(文化5年・1808年)を著す。
その間、京都の歌人小澤蘆菴の家にやっかいになったという。「山陵志」は、幕末の尊皇論に
大きな影響をあたえる。
高山彦九郎、林子平とともに寛政の三奇人と言われる。
文化10(1813)年、江戸にて46歳で病没。
著作に「職官志」「神祇志」「氏族志」「不恤緯」など。
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2008年5月24日 HITOSHI TAKANO