まだ・後輩への手紙(III)

Hitoshi Takano   JUN/2017

近江神宮への道、はるかなり!(2)



前 略  
 高校選手権の神奈川県二次予選の結果を聞きました。お疲れ様でした。そして、残念でしたね。
 この書き出しは、2014年6月にも書きましたね。そして「近江神宮への道、はるかなり!!」のサブタイトルも 二回目ということになります。
 2014年の時は、一次予選を抜けて6校に残り、その中で2校に残れれば、近江神宮初出場だったのですが…。 予選ブロック2-3の負けが二つ。あと一勝に届かなかったのですから、今回は、予選突破で最後まで残ったのですから、 今までで、もっとも出場に近づいたといってもよいでしょう。今回主将を務めた高3のMTさんは、 中3のときに先輩たちの悔しさに触れ、その後、一昨年、昨年は選手として、チームの要として活躍し、 チームを成長させてきたわけですから、「お疲れ様でした」の言葉をかけたいと思います。
 そして、2014年に悔しい思いをしたKFさんは、この3年間大学生としてコーチ役として関わってきました。 直前のSFC体育館での団体戦の練習も企画し、大勢の協力者を集めて実施したのも、後輩への思いと努力の賜物だと思っています。 本当にご苦労様でした。きっと自分が取るよりも神経をすり減らしたのではないかと思います。
 私も団体戦練習に参加させていただいて、「今年はいけるぞ」との思いを強くもっていましたが、今回の結果を聞き、 「近江神宮への道は遠い」とあらためて思った次第です。

 さて、今回のチームの戦績を振り返りましょう。

    [ 予選リーグ ]
          横浜平沼4−1
          岸根  4ー1
          藤沢西 4−1
              1位通過

    [ 決勝戦 ]
          平塚江南2−3
             2−2後の最後は運命戦で敗戦

    [ 2位決定戦 ]
          藤沢西 2−3
             2−2後の最後は運命戦で敗戦

             メンバーは5人固定

 2014年は予選でのあと1勝が届かず代表選出戦に残れなかったわけですが、今年は代表選出戦であと1勝が届かず近江神宮に行けなかったということになりました。 決勝の1−1で負けた選手も2位決定戦で1−1で負けた選手もそれぞれ思うところがあるでしょうが、よくがんばりました。 決して自分を責めたりしないでください。特に藤沢西戦では、予選も決定戦も副将(B級)が同じ相手(A級)と対戦したということですが、対戦の運・不運も 団体戦においては大きな要素です。これも勝負の綾なのです。そして、強いチームは運も自分たちの味方にします。 そして、真の強豪校は不運なあたりさえも蹴散らしてしまうくらいのパワーを持っています。 そう考えると、酷な言い方かもしれませんが、不運を蹴散らすほどの力が自分たちのチームになかったと思うしかないということなのです。

 高3の二人にとっては、高校選手権(団体)での近江神宮出場はラストチャレンジでしたが、 大学に進学して続ければ大学選手権で近江神宮に出場することも可能です。後輩たちに様々な財産を残すことも大事ですが、自分たちの夢も将来につなげてほしいと思います。 さらに、職域学生大会での昇級というチャレンジもまだ残っています。まだまだ、やることがあるのではないでしょうか。
 そして、高2以下のみなさんは、中学生も含めて近江神宮の舞台で団体戦を戦う自分たちをイメージしてください。 そのために必要な課題は何かを考えてください。不運なあたりも蹴散らせるパワーをチームとして持つためには何が必要でしょうか。 自分たちで考え、自分たちで目標をたたてください。
 自分たちのチームがA級選手が5人だったら、どうでしょうか。個々の強さはチームとしての強さに大きく貢献するのです。そして、今回は5人のメンバー固定で5試合を戦いましたが、同等の力を持つ交代要員がいるということもチーム力です。5試合目で疲れているA級選手にその日初登場のC級選手が勝つことがあるのが、この競技なのです。リザーブの選手を育てることも大事なことです。 中高一貫校であり、進学先の大学生も身近にいる環境にあり、コーチ役の先輩たちも来てくれやすいのですから、こうしたアドバンテージを活かしてほしいと思います。
 落ち着いたら、今回の結果についての振り返りをきちんとして、次年度に向けての課題を設定してください。
 みなさんの活躍と成長を楽しみにしています。この手紙が、少しでもそのために役立てば幸いです。
 また、練習に寄らせてもらいます。
 来年の近江神宮出場を祈っています。
草 々

追記(2017年6月20日) 先週(6月17日)に行われた東京都予選で、近江神宮9連覇中だった暁星高校が予選敗退したとの報に接した。これだけの実績のある高校でさえ地区予選を抜けることは難しい。この事実からも、自分たちが次に何を考え、何をしなければならないかを考えてみてほしい。どの高校にとっても「近江神宮への道、はるかなり」なのだ。   関連記事 1  (by nagaraushi),   関連記事 2  (by Tommy),   関連記事 3  (by DABAO)
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