「苦手意識の罠」
はじめに
「○○が苦手なんです」
かるたを始めて、練習を重ねていくうちに、後輩たちからこういう台詞を聞く機会がある。中には、自分で勝手に「苦手意識」をもってしまい、されにそれを増幅してしまっているようなケースも感じる。
また、よく聞くと実力差の問題であって「苦手」という範疇の話ではないように感じることもある。
というわけで、私のほうで「苦手意識」とは何かを考える問題提起をしてみた。本来であれば、選手自身が考えるべき問題で、そのほうが自分の身につく話ではあるが、そんな遠回りをさせなくてもよいのではないかという思いもあり本稿を書くこととした。
さて、本稿の内容であるが、実際に苦手なタイプがあるという前提で、割と良く耳にする苦手ジャンルへの対応策を論じることとした。本稿は、読みながら、自分の頭で一緒に検討することが大事である。その上で、自分なりに納得した対応策を試してもらいたい。本稿が「苦手意識」の払拭に役立つのであれば、筆者の大きな喜びとなる。
基本的には、「苦手意識」とは、自分で作り上げた虚像のようなものだと思っている。自分で「苦手」と感じてしまうことが、自らを捕らえるトラップ(罠)になっているのではないかという警鐘として、この「苦手意識の罠」というタイトルにしている。
苦手意識というものを持つ人も、そうでない人も、競技かるたを考える上での話題のひとつして読んでいただければ幸いである。
( 1 ) : 分類と分析
( 2 ) : サウスポー編
( 3 ) : 感じのはやさ編
( 4 ) : 上段つかい編
( 5 ) : 番外編
本文中の競技かるたに関する用語・用字において、一般社団法人全日本かるた協会で通常使用する表記と異なる表記がありますが、ご了承ください。
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高野 仁
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