TOPIC   "番外編"

366分の1

〜 2月29日をクリア 〜

Hitoshi Takano MAR/2016

 2月29日。みなさんご存知のとおり、4年に一度の「うるう日」である。個人的にはこの日は「国民の祝日」 にしてしまえばいいのにと思うのだが、何故かそうはならない。
 1日多いからといって月給は一緒という声を耳にする反面、いつも短い2月に1日の余裕があって、仕事の上で 非常に助かるという人もいる。ただ、私はせっかく他の3年とは異なる4年に一度のことなのだから、休みに してもいいのではないかと思うのである。

 さて、なんでこんな話を始めたかというと、以前このTOPICにおいて、 「366分の18」という記事を書いたことを覚えているだろうか。2001年6月のことである。
 うるう年も考えて1年366日で、かるたを取ったことのない日が、18日あるという記事である。
 それから15年、今年の2月28日までに、かるたを取ったことのない日は、366分の2になっていた。 残すは、「元旦」1月1日と「うるう日」2月29日となっていたのだ。昨年、1月27日をクリアし、あと 二日としたのだが、2月29日は4年に一度しかめぐってこない。今年を逃すと次のチャンスは4年後に なってしまうのだ。
 2001年にこの記事を書いて以来、意識的に取っていない日をクリアするようにしていたが、毎年 チャンスがめぐってくる他の日とは違い、うるう年はこの記事のあと2004年、2008年、2012年、 20016年と4回目のチャンスだった。過去3回は、仕事の関係等で意識しつつも見事に不首尾に終わったのだ。
 今年は月曜日というSFC体育館の定例練習日。絶好のチャンスである。定例会にメンバーが出席して くれればクリアできる。昨年の1月27日はわざわざ曜日を変えて練習を組んだのに比較し、実現度は 高いと見込んでいた。しかし、好事魔多し。なんと慶應かるた会の春合宿が2月26日から29日まで 組まれてしまったのだ。SFC練習のコアメンバーは当然合宿に参加する。練習場所は確保しても 相手がいなければ成立しない。これはピンチである。
 「それならば合宿に参加すればいいではないか。」という思いが、頭をよぎるが、仕事をはじめ さまざまな事情をかかえる身としては、これはできない相談であった。ぎりぎりで結局はキャンセルに なったのだが、29日の午前中は仕事上の大事な予定が入っていた。日曜から月曜にかけての合宿の宿泊 はありえなかった。
 結局、このピンチを救ってくれたのは、慶應かるた会にはかつては所属していたが現在は 所属していない「SFCかるた会」のみ所属のメンバーだった。
 私の2月29日の事情を知って、予定をあけて、練習につきあってくれたのだ。ありがたい話である。

 このメンバーのおかけで、ついに2月29日練習が実現した。

 これで4年後を待つことなく、残るは元旦のみ「366分の1」となった。
 さて、元旦をクリアする仕掛けだが、実は元旦はクリアせずに残しておこうと思っている。
 「未完」であることは時に大事なことである。「競技かるた」という勝負の世界は、続けても続けても 先がある終わることのない世界である。このことにあやかって、366日プロジェクトも1日、それも1月1日を 残して「未完」にしておこうと思うのである。
 それは、私の競技に対する探究を常に深めたいという思いの象徴としての「未完」なのである。しかし、Topicの番外編の第41回で書いた「アマとプロ」の話の中にある「精神的プロ」としてであれば「引退」を決めたら、1月1日に最終戦を取ってみたい気がする。また、引退のない「アマチュア」としてであれば、もう肉体的に取れないという状況に追い込まれたら、最後の記念に取ってみたいという気がしている。どちらにしても、そのような日が来ないよう健康に気をつけつつ、1月1日を「未完」として生涯現役を貫きたいものである。
 皆さんには、引き続き366分の365の中で、お付き合いいただければと願っている。

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