TOPIC "番外編"
キャッチ・フレーズ
〜全日協レポートの思い出〜
Hitoshi Takano OCT/2016
最近、BS日テレで日曜の夜に放映されているボーリング番組を視聴するようになった。
「P★LEAGUE」という番組で、女子ボーラーの番組である。以前は、私も学生の頃から行っていた田町ハイレーンを
会場にしていたが、閉館にともなって現在では川崎グランドボウルを会場にしている。
ゲーム展開も面白いのだが、何が面白いといって、選手のキャッチ・フレーズが面白い。
「フレッシュ・サウスポー」というのは左利きの若手選手というイメージそのままだが、若手選手の中には「新世代のカリスマ」
とういうようなものもある。
「ロシア帰りのプリマボーラー」というのも最初聞いたときは、「?」だったが、ロシアにバレエ留学していた選手と聞き、
なるほどと思った。
すごいのは「浪速のダイナミックボンバー」である。フォームの豪快さと出身がうまく組み合わさっている。
ベテラン選手には「ボーリング・アーティスト」というのもある。これまた、選手の雰囲気にあっている。
「サウスポー」という表現以外にも「華麗なる左腕」とか「体育会系パワフルレフティ」のように左利きということを
表わしたものや、「北国のスーパーヒロイン」「道産子アスリート」「東海のファンキーガール」のように出身地をアピール
しているものもある。
「型破りなバックアッパー」や「脅威のクランカー」というのも、選手の個性が伝わってくる。
今のところ一番のお気に入りキャッチフレーズは「逆襲のベイビーフェイス」である。プロレス的文法でいえば、ヒール(悪玉)に痛めつけられたベビーフェース(善玉)が逆襲して逆転勝利をおさめるので、おかしくはないのだが、明確なヒール役がいるわけではない女子ボーリングの世界にこの文法をもってくるという違和感と、「ベビーフェース」ではなく「ベイビーフェイス」と「イ」を入れているこだわり感が面白い。発音して比べてみると雰囲気の違いがきっとわかると思う。また、「逆転」ではなく「逆襲」という表現もおそらく発案者がこだわったところではないだろうか。ボーリングの世界での「逆襲」という言葉と「ベイビーフェイス」という言葉は、私にはアンマッチな感じを与えるのである。このキャッチフレーズの前は「ジャパンのド根性娘」だったというのだから、キャッチフレーズを変えて正解だったのではないだろうか。
さて、このウェブサイトはボーリングのことをあれこれ書くことを目的としているのではない。競技かるたの話を書く場所である。
故人となって久しいが、東京東会の会長で全日本かるた協会の副会長をされていた深田郷風さんが、全日協レポートという
機関紙に試合の短評を書かれていた時期がある。楽しみだったのは、選手に上記のようなキャッチフレーズをつけて評するので
ある。
曰く、「紀州の小冠者」、「はやての○○」。出身地や選手の特徴を端的にあらわした名キャッチフレーズだと思う。
なかには「好漢××」などというものもあったように覚えている。
全日協レポートは私の手元に残っていないので記憶で書いているが、ほかにも名作が多々あったように思う。
ただ、本人が選んだキャッチフレーズではないので、本人が気に入っていたかどうかは定かではない。
今、競技かるたは、漫画・アニメ・映画の後押しを受けて、競技人口も増えつつある。以前のトピックで、
リングネーム風の「○○ネーム」を考えたら面白いという話を書いたことがあるが、選手がそれぞれに自分自身のキャッチフレーズを考えたり、
先輩が後輩に名づけたりするのも、ブームをより活性化するための遊び心的ツールになりうるのではないだろうか。
仲間内で、あれこれつけて楽しんでみるのも一興だろう。
最後に自分自身のキャッチフレーズを考えてみたので紹介しておこう。
昭和の上段つかい
いかがだろうか?
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