後輩への手紙(IV)

Hitoshi Takano May/2000

"乙"くんへの手紙

前略 進級おめでとう。今回進級できなかったら、除籍になっていたわけだから、進級の喜び もひとしおのことでしょう。1年生を2回やったことは、いい経験と前向きに考えたらいいの です。1年間を背水の陣ですごしたということは、競技かるたという勝負の世界で過ごす乙く んにとって、財産となるに違いありません。
 さて、新年度が始まって、新入生が一人入ったことを聞きました。まずは良かったですね。 でも、一人で満足してもらっては困ります。だいたい、一人じゃ、入って来た新入生も心細い でしょう。乙くんの代は、人数が多いから心強いでしょう?ぜひ、これからも、新入生のゲッ トを目指してください。

 3月の職域学生大会は、乙くんの出たBチームは4人で戦ったと聞きました。その中で乙く んも結構な成績を残したようですね。5人で3勝あげるのと、4人で3勝あげるのとでは、選 手のプレッシャーは大違いです。といっても、乙くんは、あまりプレッシャーを感じるほうで はないかもしれませんが…。
 職域学生大会の直前の練習で、「これ以上取ると疲れますから…」と言って、1日に1試合 くらいの練習で、調整をはかっていた乙くんを見ていて、実は、私は不安を感じていました。 もう少し、かるたを取りたいという意欲を見せてもいいのではないかと…。しかし、これは、 試合の日に疲れをピークに持っていってはいけないという前に私が手紙に書いたアドバイスを 守ってくれた結果だったようですね。私も、この手紙のやりとりをしていてよかったと思って います。
 実は、私には苦い経験があるのです。学生時代は、合宿の連チャンから、職域練習をフルに やって、職域当日に疲れのピークが来るような失敗を何度かしたように思います。当時は、練 習を一生懸命にやった結果だとか思っていたのですが、就職してからのあまり直前に練習でき ない状況で出た職域のほうが、調子がよいことに気がつき、試合にピークを持っていく調整と いうことを経験則的に理解したのでした。ちょっと気づくのが、遅かったかもしれません。で も、学生時代は、今とは違い私も若く、少しぐらい無理をしても、職域前にガムシャラに練習し ても、肉体的に疲労を自覚していなかったのです。どちらかというと練習をしないでいること が、精神的に不安感を与えているといったほうがいいかもしれません。
 私の昔話はともかくとして、今の乙くんとしては、今回の戦績は、調整の成功といえるし、 上々の成績と言えるのではないでしょうか。
 でも、乙くん。乙くんは、もっと上を狙えます。新入生も入って来たことですし、先輩とし て対戦する中で、まだ負けたくないというような気持ちが起こってくれば、もっと強くなりま す。やる気が見えないのが、乙くんの特徴かもしれませんが、見えなくてもいいですから、や る気になってみてください。きっと来年の今頃は、いろいろな面で、いい結果を出しているこ とでしょう。

 最近、私もちょくちょく乙くんに負けるようになってきました。わたし的には、まだまだと 思っていますので、また、お手合わせ願います。
 では、最後になりますが、乙くんの学業のほうも順調にいきますように祈念しております。 三田キャンパスで見かけたら、声をおかけください。

草々

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