後輩への手紙(9)
Hitoshi Takano JUN/2003
“丙”君への手紙(4)
前略 丙君、ご無沙汰しています。いかがお過ごしでしょうか?
今の部署に配属になって1年が過ぎましたね。ということは、仕事の年間サイクルが一回りしたということで、今年は昨年よりも自分で事前に予定を組んでいけるということです。
すなわち、仕事のスケジュールが見えてきて、身体も仕事に馴染んでくる2年目は、自分の工夫でカルタの練習に参加するスケジュールも立てやすくなるということです。
そうはいっても、仕事は大切な生活の基盤ですから、充分に責任を果たした上で、カルタにも顔を出してください。
後輩達のほうは、新入生をむかえ、結構な人数にもなり、活気が出てきたようですね。そのかわり、3年生や4年生は、研究室やゼミで勉強のほうが忙しくなってきているみたいですが…。
でも、それも毎年のことです。なんとかなるでしょう。我々はOBとして、あたたかく見守るとともに、よい練習相手でいられるよう腕を落とさないようにがんばりましょう。
そういえば、丙君は、今度、職場のほうのカルタチームの選出の職域連盟理事となったようですね。ご苦労様です。それも、よい経験となるでしょうから、誰とはいいませんが前任者のように委任状提出専門ではなく、ちゃんと会議に出席してください。会議に出て、顔と名前を大いに売り込んで来てください。
職域の話で思い出しましたが、後輩達の現役チームは、春も3位どまりで上にあがれなかったようですね。1勝に涙を飲んでしまったということですか…。まあ、そういうこともあります。悔しさをバネにして次にのぞめばいいのです。
でも、せっかく新入生がたくさん入ったのですから、D級1チーム体勢を脱出して、2チーム出場を目指したいですね。後輩のみなさんはどのように感じているのでしょうか?
丙君は、後輩達の職域大会にのぞむ意識をどのように感じていますか?
わたしよりも、年齢的にも接する時間的にもはるかに彼らに近いところにいるわけですから、いろいろと見える部分も多いのではないでしょうか。
見える部分が多いからといって、後輩達自身の気づきと考えに任せるということを丙君は考えているわけですよね。それはそれで、じれったいこともあるでしょうね。心中、お察しいたします。
さて、わたしなりの見かたをちょっと披露しましょう。
名伯楽と言われたある高校の教諭は、「日常の練習も、個人戦もすべては団体戦のためのもの」というスタンスをとっていました。高校とは違う大学で、このスタンスがとれるかどうか、また、適切かどうかは、別途問われるべきところでしょうが、このくらいの徹底した考え方というか考え方の柱は必要でしょう。
大学生のサークル活動です。サークルへの参加者が共通の認識をもって、「職域学生大会に向けての練習をどうするか」、「どうモチベーションを高めていくか」と考えていくところからスタートさせないといけません。前の職域学生大会が終われば、すぐ次の職域学生大会への戦いが始まっているともいえるのです。それは、一人一人の思いの中にあればよいことかもしれません。たとえば、夏の職域学生大会に向ければ、新入生への対応も落ち着いてきた6月くらいが夏の職域学生大会へ向けての会としての意思統一をはかる良い時期ではないでしょうか。まず、ここで会員の意思を統一し、大会へ向けての具体的プランニングをします。具体的には、選手をどのように選ぶかというのも大きな選択です。ある期間に総当たりの対戦を組んで、そこ成績で選ぶというのも一つの方法です。そして、選手でないメンバーをどのように団体としての戦いの中に組みこんでいくかということも大切なことでしょう。当然、選手でないメンバーも模擬団体戦の相手チーム役を務めてもらわねばならないでしょう。最近では、夏は8月の上旬に大学選手権もあるので、総合チーム力のピークの持っていき方、調整の仕方も大切です。個人的に言わせてもらえれば、大学選手権も、職域学生大会へ向けての通過点として、強化計画の一側面として位置付けてはどうでしょうか?
6月:意思統一と方針決定。そして各選手の地力の底揚げ。
7月:各選手の地力の底揚げと下旬には代表メンバーの選考と仮確定。
8月上旬:大学選手権に向けての調整・仕上げ。これは職域学生大会への調整・仕上げの試行との位置付け。
8月中旬:職域練習。練習期間前半は、10時始まりで午前1試合、午後3試合のリズムをつくること。一日の最後には必ず模擬団体戦。練習期間後半は、疲れのピークが本番に来ないような調整。
問題は、夏合宿をどの時期にどこで行うかです。夏合宿の時期と内容は、チーム力ならびに個人の地力アップには重要な課題です。その年のカレンダーや試合日程などを確認しながら、しっかりと検討してほしいものです。
ついつい、丙君に私の現役へ対する期待を伝えてしまったようですね。我々は、もうすでにともにOBでした。現役自身が自分達で考えるべきことです。
先にも書きましたが、お互いに力を落とさず、現役陣のよき練習相手であるよう頑張りましょう。
では、また、練習場で顔を合わせましょう。 草々
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