赤染衛門

やすらわで寝なましものをさ夜ふけて
   かたぶくまでの月を見しかな


決まり字:ヤス(二字決まリ)
 赤染時用の娘と言われるが、母が時用と一緒になった時には、前の夫の平 兼盛の子を身籠もっていたと言われる。歌の才は、実の父の兼盛譲りであった のだろうか。夫は大江匡衡(まさひら)。曾孫が匡房である。
 「(あなたがおいでにならないと知っていたなら、)ぐずぐずせずに寝てしまいま したものを、(待っているうちに)夜が更けて(西に)かたむく月を見てしまったこ とです。」というような歌意である。

 56番目の和泉式部から62番清少納言までは女流歌人の歌が7首続く。赤染衛門の 歌は59番。この7人のうちの真中にある。一条天皇の後宮サロンの一人として存在感 を示していたのであろう。

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2008年4月19日  HITOSHI TAKANO