また・後輩への手紙(III)
Hitoshi Takano Apr/2015
新入生の勧誘・指導にあたって
前 略 新2年生のみなさん、進級おめでとうございます。本年度もよろしくお願いします。
まずは、オリエンテーション期間の新入生勧誘をよろしくお願いします。また、多くの新人が入会してくれることを
楽しみにしております。
数人の経験者が入学すると聞いていますが、まったくの初心者から強くなる選手を育てるのが、組織としての強さなので、
ぜひ、初心者をたくさん入会させてください。
「人材教育をできない組織は衰退する」、「真に強い組織は自前で人材育成できる組織である」ということを肝に銘じておいてください。
初心者を指導することで、皆さんも強くなるきっかけをつかむことになると思います。
ついでながら、さらに、わたしからのたってのお願いとしては、ぜひ、湘南藤沢キャンパスの新入生を勧誘してくださいということです。
さて、新入生がはいってきたら、初心者には、まずは札の暗記の指導と定位置づくりの指導ですね。昨年度から始めた
皆さんも、遠慮せずどんどん指導に加わってください。自分が教わった時の記憶が新しいのはみなさんだからです。自分が
わかりづらかったことや、自分がもった疑問は、きっと今年の新入生も持つことだと思います。そういう点をケアしながら
説明してあげるとよいのではないでしょうか。
そして、可能性をいくつか提示し、自分が考える余地を残してあげることが、指導にとって大事なことだと思っています。
定位置などは、同じ会では、似たようなものになりがちですが、個性が出るところでもあるので、多様性の観点からも、
最後は本人が納得して決められるようにしてあげてください。
もちろん、定位置は取っていく中で、変化(進化)させていけばいいものであることも説明してあげてください。
次に気になるのは、練習のあとの感想戦でしょうか。
以前、この手紙のシリーズの中で、「感想戦のあり方」というのを書いたので、参考に
してください。
「新入生に何を言ったらいいのかよくわからない」という新2年生の声を聞きました。
不安になることはありません。まずは、「何か聞きたいことはない?」と相手にふってあげることから、話の取っ掛かりを
つかめばいいと思います。
それから、新入生のほうもこの世界で自分がやっていけるかどうか不安になっていると思うので、まずは自信をつけて
もらいましょう。それには、新入生の取りの中で、よかったところを指摘して、ほめてあげてください。そして、そのよい点
を伸ばすようにアドバイスしましょう。その上で、こうしたほうがよいというところを、説明してあげましょう。
「競技かるた」というように「競技」なので、「勝ち」と「負け」がはっきりしてしまうので、初心者の新人でも「負け」
という事実に、頭では自分が初心者なのだからしかたないとわかってはいても、感情面でそれを受け入れられない部分がある
と思われます。その感情面の沈み込みをフォローしてあげられるような心配りを期待します。
ここ何年かの傾向ともいえるし、実は昔からだったのかもしれませんが、結構、初心者でも「セルフイメージ」が高いよう
に思います。私の印象では、きびしく悪い点を指摘された記憶が強いのですが、今ではそれでは伸びないのかもしれません。
悪い点については、辛らつな表現はやめて「ソフトに指摘する」ことと、よい点を「褒めて伸ばす」ことが、現代の指導の
定番スタイルなのかもしれません。
新入生が何度も練習に来るうちに、個々人のだいたいの傾向も見えてくると思います。そうしたら、この相手には、
ある程度強く言っても大丈夫とか、この相手には励ますような指導が必要とかが見えてくるでしょうから、相手をみて
指導スタイルをかえていきましょう。
まだまだ、指導について、不安もあるでしょうが、何かわからないことがあったら、私を含め、先輩にきいてみてください。
ひとりで悩むことはありません。
では、練習場であったら、遠慮なく声をかけ、質問をしてください。
草 々
(参考) "指導"の方法論
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