TOPIC   "番外編"

BE LOVE"2013年第7号"ちはやふる

〜競技かるた未経験者の一言〜

Hitoshi Takano MAR/2013


 講談社の”BE LOVE”は、家内が購入し、毎号ふたりで読んでいる。
 もちろん、私のお目当ては「ちはやふる」だが、毎号読んでいると当然、他の作品にも 興味がいく。お気に入りの作品が最終回とかいうと非常に残念な思いになる。

 家内もお気に入りの作品があるようだが、最近は「ちはやふる」の試合風景の内容に ついていけないので、精読してない」とのことである。
 精読とは、本人が言っているのではなく私の意訳である。
 ふきだしの文字まで、しっかり読まずに絵をさっくりと見て、ざっと流れを追う程度 の読み方ということである。

 私は「ちはやふる」に関しては、精読している。数回読み返し、試合の枚数や、札の 描かれ方にミスがないかまでチェックしているし、ふきだしを始め、解説的な部分まで じっくりと言葉を噛みしめながら読んでいる。
 競技かるた経験者の鑑賞にたえるように描こうとすると、未経験者には、それの何が 面白いのかわからないことも出てくる。
 家内にも「必要なら解説するよ」というが、「No thank you.」と断られてしまう。 マンガ以上に私の解説が細かいことを危惧しているのだ。それに、解説無しでも、 すっーと読者の中に入り込む作品でないと、気軽に読む立場としてはいかがなものか ということもある。
 私も、"BE LOVE"という女性マンガ誌の中の男女の愛憎を描くような作品を精読する ことはせず、絵を見てざっと流れを追う程度の読み方しかしていない。

 描く世界に詳しい読者、そうでない読者、こうした読者全般を満足させる作品を描く というのは、そうとうに大変に違いない。

 家内の「何をいっているのか、このことの何がおもしろいのか、よくわからない」と いう反応は、吉野会の試合のシーンあたりから出てきて、名人戦の予選の試合シーンに きて確実になったものと思われる。

 吉野会での猪熊選手の配置や、太一の守りの適性の話や、決勝での太一の上段作戦。 名人戦予選での運命戦の話などなど、未経験者にはピンとこない話なのだろう。

 このあたりの参考になる過去に私が書いた記事は以下のとおりである。未経験者は 余計にわからない話になってしまうかもしれないが、ちょっと経験していて、少し 詳しい解説がほしい方には参考になるかもしれない。
 時間があれば読んでみてほしい。

・札の配置について一枚一枚を離して置く話→クリック!
・運命戦について→その1(クリック!),その2 (クリック!
・上段について→クリック!

 せっかく、高校という舞台とかるた会という舞台を用意しているので、女性マンガ誌 という特徴を生かして、試合のおもしろさだけではなく複雑な人間模様のおもしろさも もっと盛り込んでもらいたい。それこそ、登場人物の本筋とは違うエピソードなどを 番外編で描くなど、いろいろな手法があるのではないだろうか?
 そうすることで、物語世界にもっともっと深みや厚みがでてくるように思う。(そう いう意味では、3人の主要人物の中学生時代を描いた小説はおもしろかった。)

 家内が、「これならわかりやすくておもしろい。すんなり読めた。」と言うような 話の流れが登場する回もおおいに期待している。
 よろしくお願いいたしたい。 


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