TOPIC "番外編"
第102回職域学生大会D級エントリー顛末
Hitoshi Takano SEP/2015
8月30日(日)に、第102回職域学生大会のD級が無事に終了した。出場54チームのみなさん、お疲れ様でした。春にC級に出場する大阪大学B、國學院大學、新潟県庁、青山学院大学、東北大学B、浦和明の星女子中学高校(埼玉県)の各チームには、活躍を期待したい。特に職域のチームである「新潟県庁」には、ぜひともC級残留以上を決めてもらいたい。
さて、TOPIC番外編(第11回)において、職域の参加申し込みの優先順位を書いたことがあるが、今回も、同様のことが生じた。我々は、エントリーしたが、会場のキャパシティの関係で参加できなかったのだ。
当時とは、クラスわけも変わり、夏がD級で、春がABC級となって、夏春セットでの1回分の職域学生大会となった。これに
ついては、TOPIC番外編(第10回)や同(第17回)
ならびに同(第22回)を参照してほしい。
出場できなかった理由は、簡単である。キャパシティの関係で、54チームしか出場できないところ、68チームのエントリー
があり、我々の出場条件の順位は、第67番であったということによる。優先順位の8項目のうち、最下位の第8順位の「前回
5人に満たない人数で出場したチーム」に該当し、さらにその中で、前回の43位という順位であったことでこの第67番という
順番が決まったということである。
昨年の第101回大会のD級に4人のチーム編成で出たときから、こういうリスクを背負っていることを承知していたので、
今回は残念ではあったが、エントリーのみで出場できない事実の受け入れには問題はなかった。
ただ、問題提起だけはしておきたい。それは、同時に行われるプレミアムトーナメントのことである。現在は、
16チームが出場できているが、これをD級の出場枠にまわせば、現在のキャパシティのままでD級の参加チームをふやす
ことができるということである。トーナメントを8チームに減らせば、62チームが出場できるし、トーナメントを
やめてしまえば70チームがD級に出場できるのである。今回は68チームのエントリーだったので、70チーム分のキャパシティが
確保できれば、希望チームは全て出場できる計算になる。
プレミアムトーナメントもそれなりに回を重ねるごとに盛り上がりをみせているようではあるが、職域学生大会のD級開催日
という面だけをみれば、なにかしらの見直しを検討してもよいように思うのである。
今回でいえば、補欠も入れて20チームにエントリーの案内を出したそうだが、補欠4チームはエントリーをしなかったため、上位の2チームが辞退したにも関わらず繰り上げチームのないまま、14チームでのトーナメントとなった。補欠4チームからエントリーしないという直接の意思表示があったのは1チームのみで、残り3チームは締め切りまでにエントリーをしないという形での意思表示であったということである。職域学生のD級は出場したいチームが出場できず、プレミアムのほうは、枠が2つ埋まらないということである。同日・同場所開催の大会として、出場できなかったチームの一人として、釈然としない思いを抱くものいたしかたないように感じる。新制度で3回が行われた。なにかしらの工夫や見直しをしてもいい時期にあるのだと思う。
もう一点は、自分でも甘い考えだと思いつつの問題提起である。
そもそも職域学生大会というのに職域のチームの出場が少ない。全体で出場できるチーム数が夏出場が54チームで春出場が48チーム。このうち夏の上位6チームが春にでるので、実質96チームである。102回大会では、職域のチームはD級に6チームで、ABCに3チームの9チームであり、全出場チーム数の1割に満たない。ちなみに職域チームでBチームを持っているところはない。職域・学生大会というのであるから、学生チームばかりになってしまっては「職域・学生大会」の名がすたるというものだ。学生の間でさえ、「職域・学生」とは言わずに「職域」と普通にいっているのだから、なおさらではないだろうか。
そこで、職域チームの育成を目指して、職域チームだけの特典を設けるという提案である。
職域チームは、全体のチーム数の2割までは優先的に出場権を認めるという措置である。102回大会の例でいえば、19チームまでとなる。春に3チームあるので、夏は54チーム中16チーム以内のエントリーであれば、8つの優先順位にかかわらず、職域のチームの出場を認めるというものである。実際のケースでいえば、この制度で救われるのは、2チームだけなので、理想の職域チームが全体の2割にはほど遠いということになる。しかし、それだけに現実味のある案ではないだろうか?
そんなのは、甘い。実力で出場を勝ち取れと言われてしまえばそれまでである。実際、様々な立場の方にご意見をうかがうと、「そんなこと言わずに、まずは、5人揃えてくださいよ。最初の1試合目に5人揃っていればいいんです。1試合だけ座ってもらう人とかお願いできないんですか?」と言われたり「今のブームですから、勧誘を熱心にしてはどうですか?」と言われたりもする。しかし、実際は、そんな簡単なものではない。だいたい、ただ座ってもらうだけの人に、25枚相手に取られるまでの時間は、苦行以外のなにものではないし、その人にとっても、相手にとっても相当失礼な話である。この大会には、教員の方も多くいるが、4人しか部員がいないからといって、他の部の生徒を借りてきて、そんなことを頼めるだろうか?自分の学校の生徒について「?」を持つようなことであれば、それは社会人のチームにおいても「?」のことであると思う。
中学や高校は教育の一環としての部活動であるから、指導者の教育的配慮のもとに生徒に大会の予定をあけるように言いやすいかとは思うが、職場のクラブ活動では、そうはいかない。かるた選手が5人以上いても、出張その他の事情で5人が当日に出場できるとはかぎらない。家庭の事情もあるし、対外的に断りきれない事情もある。社会人の予定は、学生や生徒とは、また異なる状況でのやりくりなのである。企業の広報装置としての部活動であれば、業務命令ということもできるだろうが、競技かるたのチームで、そういうチームを私は知らない。4人でしか出場できないことについての事情は、大学や中学・高校のチームとは違う観点で斟酌されてもよいよいうに思うのである。
「職域学生大会」に「職域」のチームが、ある程度の数参加することは、たいへん象徴的なことであるし、学生チームに対してのよい刺激になると考える。また、学生が卒業後にかるたを続けるモチベーションたりうる効果もあるように思う。斯界の発展のためにも、なにかの機会があれば、ご検討いただきたいと切望する。
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